キメラ魔術師が現代で生きる方法

水瀬 若葉

私がキメラである理由(読まなくてもいいよ)

私はキメラだ、突然何を言っているんだと言われるかもしれないが事実なので仕方ない。


キメラと言っても一般的なキメラとは異なる、一般的に想像されるキメラだが、百獣の王の体に鳥の翼、蛇の性質を持つ尻尾がよく上がる。


だが、私は違う、見た目はれっきとした人間だし、言葉も喋れる、知能もある、ただ他とは違うところがある。


それは私の体には5種類の生物の血と性質が入っているからだ。


私がこんな体になってしまったのは、私が原因だ、そして私の体にはその生物を象徴するタトゥーが入っている。


首にはつた、背中には翼、胸には糸、お尻には蛇、最後に手の甲には鉤爪。


これはある魔物や生物たちの魔石や血で作られたタトゥーだ、首はドライアド、背中は梟、胸は蜘蛛、お尻は蛇、手の甲は猫だ、このタトゥーには意味があってただの飾り付けではない。


これは洗っても取れないし、一生体に残る物だ。


本題だが、この体のタトゥーには能力がある、ドライアドは植物を操り、梟は羽を生やし目をよくする、蛇は歯に毒を仕込み、蜘蛛は体の好きな部位から糸を出せる、そして猫は高いところから落ちても最適なバランスで維持されて衝撃を軽減する。


という感じだ、私がこの様な施しを身体にした理由は至って単純で、強くなる為だ。


私は魔術師だ、魔法師とは違う、魔術師とは簡単に完結する魔法とは違い、自由度が高い、ただ面倒臭い、魔術を使うには詠唱が必要だし、詠唱にも1分から2日掛かるものまで様々だ、そして、それを一瞬で起動させることを可能にするのが魔法陣と言うものだ。


魔法陣とは人が潜在的に持っている魔法を使うためのもので、魔術師はそれを作ることを可能にする。


これが魔法師とは魔術師の大きな違い、魔法師は潜在的に体に内蔵されている魔法陣に魔力を流すことにより魔法を撃ち、魔術師はその魔法陣を作り、作ったものと魔力を消費して、魔法を撃つ。


この違いだ、魔法師は応用が効きにくく、魔術師は速度が足りない。


一般的には魔法師の方が優秀とされているが、実情は準備したら魔術師の方が勝機が高い。


そんな魔術師な私だが、ダンジョンに行くには力が無さすぎた。


魔法陣を作るにしても、魔物の血か、魔石が必要。


魔石を使うには自分で取るか、協会で買うか、個人で買うかしかない。


魔石は一回の魔法陣に最低10個は使い、一番安い魔石の値段も1個60円と馬鹿にならない、こんなんを何十個、何百個かって弱い魔法や中級程度の魔法しか撃てないとか、コストパフォーマンスが最悪なのだ。


だから私は考えた、魔物の力を自分で使える様に魔法陣を自分に書けば、私が自分で魔石集められるんじゃね、と


因みにさっき言ったタトゥーが魔法陣だ。見た目はあれでもちゃんと魔法陣として機能している。


だから私は魔法を使える様になった、使える魔法は異質だが、これで魔石が集められる。

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