第2話
男は目覚めるとそこは宇宙であり自身はロボットの中だった。さらに敵のロボットに襲われている最中で。
男はこの世界の事や転生したシュレンと言う人物についても何も覚えていない。なのでシュレンは襲いかかってきた奴らを制圧して自身の事やこの世界の事を聞くことにした。
「は、はーっはっはっはっは!しゅ、シュレン如きが調子に乗れるのもここまでだ!いくらお前が強くなっていようとも!この悪魔には敵うまい!いけ!ケーシャ!」
ケーシャと呼ばれたのは150cm程度の小さな女の子。そのケーシャと呼ばれた女の子がゆっくりと目を開けた。
「へえ・・・綺麗なオッドアイだな・・・」
ピク
シュレンのその言葉に一瞬ケーシャは反応した。
「なにしてんだ!悪魔!何のためにお前を飼ってたと思ってんだ!さっさとあいつを殺せ!」
「・・・かしこまりました・・・」
そう言うとケーシャはシュレンが驚く速さで一歩を踏み出した。
ダッ!
「速い」
ダダダダダ!
ライフルを連射するもその驚異的な速さにてライフルの弾丸を回避しながらシュレンの元へと近づいてくるケーシャ。
「ライフルは意味をなさないか・・・面白い・・・」
そう言うとシュレンはライフルを手放し素手で対応することに。
振るわれるケーシャの攻撃。シュレンは防御姿勢。
ガシン!
「ぐっ!?」
その力は明らかに重量級の男から繰り出される力であり小さな女の子が出すような力を超えていた。
「なんて重さ・・・この世界にはこんなのもいるのか・・・面白い世界に来たもんだ・・・」
そこから一進一退の攻防。ケーシャが襲い掛かりシュレンが防御を諦め回避し続け。たまにカウンターを見舞うもその驚異の身体能力にて回避される。
しかしこのケーシャは身体能力は高いが戦闘技術で言えば未熟を通り越して素人同然だった。故に何故か達人級の対人能力を擁しているシュレンは徐々にケーシャに対応できるようになり、
ドゴッ!
「がはっ!?」
ケーシャの攻撃を見切り突き出した右腕を寸前で回避すると背負い投げにて真下に落とした。そして首筋に手刀を突きつけるシュレン。
「チャックメイトだ・・・それとも殺されるまでやるか?・・・」
「・・・・」
無言でシュレンを見るケーシャ。返答を待つシュレン。すると2人は殺気を感じ取り同時に反応した。
「死ねえええええ!!」
ダダダダダダダダダダ!!
シュレンが落としたライフルをボスが手に持ちケーシャごとシュレンを殺そうと乱射した。しかし直前で気が付いた2人は跳躍し回避。
「うるさい奴だ・・・あいつから・・・」
シュレンがボスを殺そうと考えているとそれよりも早くケーシャが飛び蹴りをお見舞いした。
ドガン!
「ガへェ!?」
その一撃を受けボスは気絶。ケーシャはシュレンの方に近づいていく。
「・・・命令する者がいなくなりました・・・なので今日からあなたが私の飼い主です・・・」
「・・・生きてると思うがな・・・」
そうしてなぜかシュレンに従うようになったケーシャを連れてボスを締め上げて宇宙戦艦内を制圧した。
/////
「俺の名前はヤン・トンソンだ、です・・・青豚宇宙海賊の船長をしています・・・」
「なるほど・・・お前らは宇宙海賊だったのか・・・風貌からしてそんな感じだしな・・・それじゃあまずは俺が誰かから聞こうか・・・」
シュレンは大広間に海賊たちを並べ聞きたいことを問いただしていた。
「俺が誰かって・・・なんでそんなことを・・・」
1人の海賊がそうボソリと呟いた。それを聞いてシュレンは合図をする。
「・・・ケーシャ・・・」
「はい」
ケーシャはシュレンから持たされたライフルを海賊の方に向ける。
「ひいい!?や!?やめ!?」
バン!
「ひえええええ!?・・・・・あれ?」
放たれた銃弾はその海賊よりも上に向かって放たれた。
「・・・申し訳ありません・・・外しました・・・」
「大丈夫だ。気にするな・・・さて、何か文句あるか?・・・」
ブンブンブンブン!?
必死に首を横に振る海賊たち。それは船長のヤン・トンソンも同じ。そこから質問はスムーズに行われた。
「お前はシュレン・バックナード・・・詳しくは知らねぇがどっかの国から逃げてきたらしい・・・お前は黒夜叉に乗った状態で宇宙で浮かんでたから取っ捕まえたんだが、黒夜叉はお前にしか反応しなかった。だからとりあえずお前を仲間にしたんだ・・・」
「黒夜叉?」
「お前のラジンアーマーの事だよ」
「ラジンアーマーってのは?」
「?・・・ラジンアーマーってのは人型の機械兵器だ。お前も乗ってたあれだよ・・・」
「ああ、あのロボットのことか」
シュレンの質問に答えているヤン・トンソンはラジンアーマーのことまで質問をされて疑問に思うも先ほどの脅しが効いたのか素直に答えた。
「この世界の事は・・・もうケーシャに聞けばいいか・・・」
「・・・・」
シュレンの言葉にケーシャは1人で歩き出してヤン・トンソンのズボンのポケットを調べだした。
「何やってんだ?ケーシャ?」
そう疑問を口にするとケーシャがヤン・トンソンのポケットからスマートフォンのようなものを出した。
「ま!?まさか!?」
ヤン・トンソンが恐ろし気に叫ぶ。それを無視してケーシャがシュレンのところへやってくる。
「これは携帯端末です・・・この中に情報が載っています・・・」
「ああ、なるほどスマホかそれ」
ケーシャがその携帯端末を操作する。すると形こそスマホだが空中に画面が投影されるというシュレンからしたら未来の技術を披露される。
「はあ・・・未来スゲー・・・異世界か?・・・まあいいか」
とりあえず携帯端末の操作が分からないシュレンは念のためデータを初期化してケーシャに任せる事に。
「ああ・・・俺の・・・俺のふよふよランキング一位の座が・・・」
それまで以上に嘆き落ち込むヤン・トンソン。ちなみにケーシャが奪った携帯端末は世の中には何種類か存在するようでケーシャのはオブロング型というらしい。他には三角だったり丸だったりいろいろあるようだ。
「そう言えば・・・当たり前のように連れて行くつもりになってたがケーシャは来るのか?」
コクン
「あなたは私の飼い主ですので」
飼い主。そう口にするケーシャ。それに対してヤン・トンソンたちに怒りの感情が湧いたシュレンは問いただす。
「・・・ケーシャについて話せ・・・」
「勘違いすんじゃねえぞ。そいつのそれは俺達が拾ったときからだ。俺たちゃあ何もしてねえよ。ただ戦闘能力が高いから敵戦艦とかに乗り込むときに使えると思って飼・・・仲間にしてただけだ」
「・・・それじゃあケーシャを悪魔って呼んだ理由は?・・・」
「そいつが自分でそう言ってるからだ・・・自分は悪魔だってな・・・」
「・・・・」
「大方オッドアイは悪魔の印とか古臭いことをいまだに信じてる国で育ったんじゃねえの?そういうのは後進国なら結構あるしな」
こうしてシュレンは自身の事を悪魔と自称するケーシャを連れて旅をすることに。
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