目覚めたらロボットの中でした
プラントスクエア
第1話
『裏切り者がー!』
その声に男は目覚める。状況を把握する前に男は条件反射的に身体が勝手に動いた。
ガキン!
「これは・・・どういう状況だ?」
そこは宇宙。男はロボットのような何かに乗っており何体かのロボットに襲われているところだった。今はロボットの盾で相手の剣を防いでいる状態。
突然目が覚めたら知らない場所にいるというそんなファンタジーのような状況に男は一切理解出来ていないながら分かることもある。
「俺は死にそうになってるって事か」
なにも分からない状況の中、男は冷静に自身が襲われており反撃するか逃げるかしなければ命が危ないと判断した。
「なんとなく操作方法が分かるのも理解出来ない所ではあるが・・・反撃する」
ギュン!
男はなんの記憶もない現状でありながら何故か分かるロボットの操作方法にて反撃した。
『な!?なんだこの速度は!?』
『こいつ本当にシュレンかよ!?』
『突然覚醒でもしたってのか!?』
どうやらこの人物はシュレンという名前らしいという事は分かった。しかし男は自身は日本人でもっと和風な名前だったと記憶している。この事から男は自身が転生したのではと判断した。
シュレンの乗るロボットの武器は剣と盾。そして両肩にある光線を放つ兵器。これらを駆使してシュレンは戦っている。
『ぎゃあ!?』
『な!?防げ!?』
『シュレン如きが!?』
相手の攻撃は盾で防ぎ剣でカウンター。離れたところから光線を放つロボットには同じく光線で応戦。
シュレンからしたら相手の動きは遅く読みやすい。この身体の性能がいいのか転生した際に神様に会ったのかどんな要因が発生したのかは分からないシュレンだが軽く圧倒する。
『くそっ!?何が起きてんだ!?撤退だ!?撤退するぞ!?』
『ま!?待ってください!?ボス!?』
『ボス!?置いてかないでください!?』
相手が逃げていく。シュレンはこの世界の事を教わるために追いかける。相手は宇宙戦艦に乗り込みそのまま逃げようとする。シュレンはさせまいと前方に立ちふさがる。
『後ろを開けろ・・・さもなければ・・・』
『わ!?分かった!?分かったから撃つな!?今開ける!?』
シュレンが何をしようとしたかを理解した相手はシュレンの脅しに従いシュレンを宇宙戦艦の中に招き入れた。
宇宙戦艦の後方にまわり中に入るとそこには先ほどシュレンから逃げたロボットが多数置かれていた。そこはロボットの整備や補給や待機をする無重力の格納庫。
「これが宇宙戦艦の中か・・・狙われてるな・・・」
相手は隠れているつもりのようだがシュレンはその姿をしっかりと認識していた。
「敵陣の中・・・ここから降りれば狙われるか・・・問題ないな・・・」
シュレンには何も記憶がない。前世の記憶も曖昧であるが自身が戦闘に優れていた訳ではないことはなんとなく理解出来ている。だが、それでも問題ないと判断した。
シュレンはコックピットの中にあるライフルを手に扉を開ける。
ダダダダ!
コックピットを開けてシュレンが見えた瞬間に放たれるライフルの弾丸。
「やったか!?」
ボスと呼ばれた男が期待を込めた表情でそう呟くと悲鳴が聞こえてきた。背後から。
「ぎゃあああ!?」
その声に振り返ると腹から血を流している部下の姿。
「なっ!?バカな!?どうして!?」
驚くボス。その部下はコックピットから出てくるシュレンを隠れて狙っていた男。
「さて・・・どいつから死にたい?・・・」
シュレンを殺そうとしたが逆に部下が重傷を負いシュレンは無傷でロボットから下りてくる。
「くっ!?くそ!?殺せ!?殺せ!?殺せ!?」
ダダダダダ!!
何十発と放たれる銃弾。それをシュレンはロボットを盾にしながら壁として蹴り無重力を移動しながら射撃。
「ぎゃあ!?」
「うっ!?」
「があ!?」
精密射撃で敵を射殺。格納庫を制圧したシュレン。
「抵抗感がない・・・罪悪感が無い・・・」
自身の事が分からずに考えるシュレン。今分かっていることはシュレンの中身は日本から転生した転生者という事。前世の記憶は自身については分からないことがほとんど。
「だが・・・この身体についてはなにも覚えてない・・・教えて貰わなくちゃな・・・」
この場にはいない逃げたボスにシュレンの事を聞くために後を追いかける。
/////
そこは宇宙戦艦の中を必死になって逃げている男。そこは重力装置が発動している重力エリア。そこをボスの男は走っている。ある人物の下に向かって。
「はあ・・・はあ・・・あいつなら!あの悪魔なら!」
ボスは自身の最後の希望に向かってひた走る。
/////
一方シュレンは戦艦内を歩きながらライフルで襲いかかってくる敵を撃ち殺す。
「がはっ!?」
「うぐっ!?」
「ごほっ!?」
シュレンに向かって敵は殺到するものの相手が発砲する前に射撃。さらに曲がり角や部屋から至近距離にて襲いかかる敵には近接戦闘で応戦。それも圧倒する。
「本当にこの身体は便利だな・・・なあ?俺って強かったのか?」
「な、何言ってやがんだ・・・腰抜けの弱虫風情、が!?」
ボキ
怒りが込み上げ首の骨をへし折るシュレン。
「とりあえずこの身体にも感情があるって知れたよ・・・しかし腰抜けの弱虫、か・・・」
どうやらシュレンという転生者の身体の元の持ち主は今みたいな強さは無かったらしい。
「謎が増えていくばかりだな」
とりあえずこの戦艦内を制圧するためにシュレンは動き続ける。すると、途中で重力エリアに差し掛かった。
「おお・・・重力がある・・・」
シュ!シュ!
「うん、やっぱり動きやすいな」
今までは無重力の中で制圧していたためにシュレンも動きづらさがあったがそれが無くなりさらに強さが増したシュレン。
そんなこんなで戦艦内を歩きとある扉を開けるシュレン。
ウィン
そこには逃げ惑っていたボスと目を瞑った状態の女の子が立っていた。
「は、はーっはっはっはっは!しゅ、シュレン如きが調子に乗れるのもここまでだ!いくらお前が強くなっていようとも!この悪魔には敵うまい!いけ!ケーシャ!」
そう命令すると閉じていた目をシュレンに向けるケーシャと呼ばれた女の子。その子の目は
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