2話 純太郎と自称神様

 からだがふわりとかんでいるようなかんじがする。


 ったときはあまりのいきおいでおんかんじずにばされてたたとされたけど、こっちはなんだかやさしい。


 そらんでるっていうより、ちゅういてるってかんじ。

 しゃぼんだまにでもなったぶんだ。


 なんかめっちゃつかれてるときにるみたいな、そんなここさがある。




「おい」




 なんだかからだかるいな。

 どこまででもんでいけそう。

 いていけそう?

 もうどっちでもいいや。


 ここがどこでオレがいまどんなじょうたいなのかわかんないけど、もうましたくないな。

 ずっとこうしていたい。




「おい」




 やっぱりね、にんげんよくぼうさからっちゃダメだとおもうんだ。

 ることをまんなんてできるわけがないんだよ。


 だってすいみんにんげんさんだいよっきゅうひとつなんだよ?

 だからじゅぎょうちゅうるなってせんせいはどうかとおもうの。


 せんせいがくせいのときはじゅぎょうちゅうなかったのかな?

 ちゃうようなつまんないじゅぎょうしてるせんせいわるいよねーキャハハ。




「おまえほんとうきてんだろ。とっととけろ」




 んだようるせーな。

 だれだよ。


 せっかくごこごこいいんだからじゃしてんじゃねえよ。

 にいいこえしやがって、どうせかおちょうブスなんだろうな。



 

 しんしゃにはむやみやたらにちかづかないほうが……あー、もうこえがすぐそこまでてるな。


 あいからあいは、とにかくかぎるね。

 それではなれたすきけいさつぶ。

 よしよし、おっけおっけ。


 まあずっとしてればしたちしてどっかくでしょ。




「だァッ!!!」




 オレのよこばらしょうげきてきいたみがはしった。

 プロきゅうせんしゅげんきでなまにんげんにボールをげたようなかんかくだった。




わいそうに。大人おとなしくうことをいておけばいたみにもだえるひつようもなかったのに」




 よこばらいたいのおまえのせいかよ。

 ぜったいわいそうとかおもってないだろ。


 けどいまのオレにはらずぐちたたゆうもなく、ただよこになってもだえてることしかできない。


 いたすぎていちゃったよ。

 ましたくないってったばっかなのにさ。


 くそ、オレのてっていてきさくせんしっぱいわっちゃった。



 かいはなんとなくいしっぽいめんと、それとしんしゃっぽいひとあしもとえる。

 なんかきんピカのじゃらじゃらしたクソだかハイヒールをいてる。


 あの、ごめん。

 オレせいかくさいていだからさ、おとこがハイヒールいてると「キモ」っておもっちゃうんだよね。


 え、じゃあオレもしかしてあのクソだかハイヒールでられたの?

 よくきてたなあ。


 おかあさんじょうからだんでくれてありがとう、あなたのどもはハイヒールにられたぐらいじゃないぞうないくっきょうおとこです。


 おやおや、なんだかデジャヴ。


 でもオレられるんだったらろうじゃなくてひざまずきたくなるおねえさまがよかった。

 てかしょたいめんあいんじゃねえよ、なんでしょたいめんあいれるわけ?




「マジでしんしゃじゃん」


だれしんしゃだ」


「あ、やべ」




 こころこえがついことに。




おれからしてみればってすぐたりもだえたりするやつのほうがあっとうてきしんしゃなんだがな」




 オレがもだえてんのはオレのせいじゃなくておまえのせいだろ。

 それになったんじゃなくてさせたんだろうがよ。


 そりゃてたのはあたくしがわるうござぁしたー。

 してつづけたのもわるうござんすよーだ。


 でもってこすのはまたちがくない?

 たとえいまわきばらじょじょいたくなくなってきたとはってもさ。



 ぶんがイケボだからってなにしてもなにってもいいとおもったらおおちがいだからな!!!

 というかこえだけイケメンのやつならわりとそのへんるからな!

 ちゅうがくのクラスメイトのなかたにくんとかそうだったし!


 どんなツラしてんだこいつ。

 ブサイクだったらせいだいわらってやる。



 オレはゆっくりかおげた。

 そしてしずかにいきんだ。


 テレビでもなかなかないようなイケメンが、オレをろしていた。


 ………………たとえかおこえくてもせいかくブスだったらけっこんできないからな!!!




「おいガキ、ここはかみだ。てい姿せいせいしんわるくないが、そのたいせいゆるされるとおもうなよ。ひざまずけ。はなしはそれからだ」




 はああぁぁぁぁぁ?



 ひざまずけ。はなしはそれからだ。



 だっさあああああああ!!!!!

 きんめえええええええ!!!!!

 イキっちゃってだっさ! かっこわる! きんも!


 たしかにコイツってなんかこうごうしいふんしなくもないかんじはしないでもないってかんじだけどさ、かたえらそうすぎてかいすぎる。


 ひざまずけっつーのはまだわからんでもないよ、わかりたくないけどね。

はなしはそれからだ」とかギャグがいいたことないからさあ。

 セリフのチョイスがださすぎてわろけてくるわ。わらえねえけどな。


 するとしんしゃはどこからってきたのか、きんピカのすわった。

 オレにはひざまずけっつったのにぶんすわるんだな。

 オレがべたにすわることになんだからぶんべたでせいしてろや。

 せいいやならおやまずわりしてないぞうあっぱくしてろ。


 さて、いたみもだいぶいてきた。

 もうってもだいじょうかな。

 からだじょうだねえ、われながらおそろしいよ。

 ほんのすうふんまえまでバカクソいたかったのに。



 さすがにもんの1つでもいたいな。

 ひとまずいて、大人おとなしくひざまずく。


 いや、ひざまずいてなんかない。

 ひだりひざべたにべったりつけて、みぎひざてて、りょうみぎひざうえんでいるだけなのであって、けっしてひざまずいてなんかない。


 しかしそのいたいもんというのは、いっしゅんにしてえた。


 なぜなら、オレがいますわっているこのしょが、あきらかにしつないではなかったからである。


 まわりはくらやみ、そしてふくすうまるいしちゅうまっていた。

 

 ……もしかして、ちゅう



 ちゅうっておもったらほんとうちゅうえてきた。


 すっげえ、ほんとにくらだ。

 やっべ、めっちゃれい


 じゃあじゃあ、オレの1ばんちかいとこにあるあのあおくてみどりがちょんちょんってあるほしって、もしかしてきゅう!?


 それじゃあオレつきうえんの!?

 なんかデコボコしてんなあとはおもったけどさ!


 もしかしてあのあかひかってるのってたいよう

 はえーすっげ、きょうしょたまんまだ。きょうしょのはもっとデカかったけど。

 あれ、そもそもなんでオレいきできてんの!?


 にちじょうてきこうけいごとに、ものすっごいわくわくしてるぶんる。

 いまなにがきているのか、これからなにがこるのかたのしみでかたない。



 するとだれかが「チッ」としたちをしたのがこえた。

 それがだれかをくのはもはやもんだろう、れいしんしゃである。

 チラリとそのしんしゃのほうをた。


 うわ、めっちゃイライラしてる。

 ちょうにらんでる。

 ちょうしかめっつら

 けんのシワやば。

 あしんでほおづえついてる。


 これマンガにしたらぜったいドスぐろいオーラこいつちゅうしんはなっててイライライライラってとがったまわりにうようよいてるよ。


 えー、したことおこってんのかな。



 とりあえずオレがなんかしゃべんなきゃだよね。

 だってそうしないと、それこそはなしはそれからだし。




「あの、ここってほんとにちゅうなんですか?」


「なにをするとかおれがだれとかまえに、おまえはこのしょくのか」




 あ、それこうとおもってたんだった。

 すっかりわすれてた。



 しんしゃためいきいた。




「そのしつもんだけにこたえるなら、ここはちゅうじゃない」




 オレはぐるりとあたりをわたした。


 こんなにれいなのにちゅうじゃないんだ。

 まあ『ちゅう』と『れい』はイコールなわけないもんね。


 あ、こういうのすうがくならったよ。

 なんだっけ、めいだいだっけ、わすれちゃった。


 なんか『ちゅう』と『れい』はイコールだけど、『れい』と『ちゅう』はイコールじゃないみたいな……あれ、ちがったっけ。

 けどなんかこういうけいもんだいあったがする。

 ほんとなんだっけ、オレがきらいなもんだいだったんだわ。


 もういいや。

 わすれた。

 もうどうでもいい。


 きょねんきらいだったならいまもきらいだわ。

 だったらもうおもさなくてもいいわ。




「ここはじつざいしているちゅうげつめんからさくだいとうえいしたくうかん……かんたんえばぜんたいとうえいさせるVRプロジェクターのようなもので、おれごとだ」




 へー……。

 ってることむずかしくてあんまわかんなかったわ。


 でもいまオレがるここがほんとうちゅうじゃないんなら、こうしてきゅうができるのもとうぜんか。


 とりあえずここはホントのちゅうじゃなくて、ちゅうえいぞうながれているこのひとごとってことでいいのかな。


 なんでちゅうで、しかもなんでつきうえなんだろ。

 にじうえとかくもうえとかでもいいはずなのにね。




「ここがちゅうじゃないなら、ここはどこなんですか?」


「それはえない。それにほしいまましょうさいうのもすいしょうしない」




 ん、ん、なに?

『ほしいまま』ってなに?

 オレいまべつになにもしくないんだけど。

 あんまけいしつもんはすんなってこと?

 だったらそうえや。


 オレりょくたかさであいだまらせるひときら~い。

 ムカついてきたからパッとでコイツのわるぐちお。


 オレはあらためて、しんしゃまわすようにじろじろた。

 しんしゃほんとうにはしんだった。



 こいつがけてるものが、なんか、もう、すんごいきんピカ。

 エジプトのかみさまみたいなきんピカのアクセサリーをじゃらじゃらけてる。


 それがでもこいつのしろかみちょうってる。

 ガチでってるのくやしいな。


 からだぜんたいてきほそい。

 せすぎじゃね? あばらいてるし。

 オレがりょうはらつかんだらゆびつきそう。


 はいはいあとは?

 クソだかハイヒールに?

 バッチバチにけたピアスに?

 じょうなほどしろはだに?


 うわうざ~~~。

 こいつよくるとマジでイケメンじゃん。


 がいいかんじにつりがってるし、まつとかながいし、まゆもシュッてしてるし。


 はなたっか。

 くちっちゃ。

 くびほっそ。


 かおし、スタイルし、りょくあたまし。



 じょうほうりょうおおいなあ!!!


 どんだけよくればむんだよコイツ!!!


 わるぐちどうしよう……。



 ケッ、ジジイみてーなしらしやがって。

 やーいろうじんろうじん

 ろうがいジジイやーいやーい。


 つったらわきばらられるだけじゃまないだろうな。

 かおかたちわるぐらいなぐられるかもしれないからうのやめとこ。




おれのことをはらなかでどうおもってくれようとかまわない。そろそろほんだいはいらせろ」




 しんしゃあしなおした。


 かした……ってわけじゃないよね? きっと。

 いちいちしんはつげんすんのほんとビビるからやめてほしい。




「おまえながくなりそうだからみじかはなす。このさいしょうかいなどどうでもいい。おれかみるいはいるということだけおぼえていろ」


「は?」


しんじるしんじないこそどうでもいい。おまえいていない。いいか、かざじゅんろう。2018ねんがつ23にち2334ふん30びょう、おまえんだ」


「え」


いんぜん。つまり寿じゅみょうだ。みじかじんせいまっとうできたようでなによりだ」


「ちょっと」


「それでおまえがここにゆうだが、おまえはこれから――」


「ちょっとってってば!!!」




 おおごえしたことで、やっとしんしゃあらたしょうかみさまはなにもわなくなった。


 やっべこえすタイミングちがえたな。

『これから』のさきになるわ。




「なんだ。まだはなしわっていないぞ。もんならあとでやれ」


「ぐ……? えっと、じゃなくて、そっからじゃなくて、はなしについていけないんですよ」


「どこからわからない」




 あ、いちおうってくれるんだ。

 オレのいてないってってたのに。やさし。




「とりあえず、あんたが……あ、あなた、が、かみさま? ってことはおぼえました。これについてはふかかんがえません、どうせくわしくはおしえてくれないだろうし」


「ああ」




 ああ、そうなんだ。

 ていしないんだ。

 おしえてほしかったんだけどな。




「で、そのあとですよ。オレがんだって、どういうことですか?」


「なんだ、まだかいしていなかったのか。すでわかっているのかと。せいぜんのことはおぼえているか」


「せい、ぜん」


おれう、ここにちょくぜんのことだ」


「…………おぼ、えて、います。それなら」




 7がつ23にちほうぶんたんじょうプレゼントをいに、ショッピングモールにった。

 でもさいがないことにいて、いえかえろうとして、トラックにかれて……。




「あれ、でも、たすかったんじゃ……」


っただろ、寿じゅみょうだって。もともとまえ寿じゅみょうきゅうじんへいきんめいよりはんせいじょうみじかかったんだよ。おまえがあのかけようがいえようが、いずれにしろ明日あしたむかえるまえんでいた」


「じゃあ、こうつうは……」


「ただのぐうぜんだ」


めたのも?」


ぐうぜんだな」




 そのとき、びょういんでのごとおもした。



 オレがめたとき、おかあさんすごいよろこんでた。


 ってこうしょうめちゃめちゃのこって、それでもせきてきましたっていうのに、それなのに寿じゅみょうんじゃうんだ。


 あんなにいたかったのに、せきも『ぐうぜん』のひとことかたづけられちゃうんだ。


 どうせ今日きょうさいってわかってたら、大人 おとなしくいえたのに。



 なんだよ、れんたらたらじゃないか。



 オレがきられたのはかみさまのおかげだったのか~なんて、らしくないことったのに。


 きて3ふんたずにんだってことだよね。

 じゃあべつきなくてもよかったじゃん。


 せきてきかえったってのに、なんでげてとすかな。

 それならなにがこったのかよくわからないままんだほうがよかったよ。



 おくからこみげるものがいてきた。

 こぼないようにくちびるめる。

 ぜんまゆがるのをかんじる。




おやめただけでいてよろこんだんだろ。んだらだいごうきゅしただろうな。よかったじゃねえか、んだらいてくれるにんげんて」




 そうになったなみだんだ。






 へー。




 こいつんだひとたいしてそんなことうんだ。

 それどころかそのしんぞくのことも鹿にするんだ。




「……あんたほんとうにクソろうっすね」




 かみほそがゆっくりと、おおきくひらかれた。

 がったしゅんかん、オレのほうをいたままかたあしばした。



 くういっわった。



 オレにちかづいてくる。

 はばおおきい。

 じょじょあしばやになっていく。



 オレのむなぐらをつかんできた。

 ひざまずいていたたいせいから、きゅうがらせられることになった。

 オレとかみかおきょが、こぶしぶんほどのあいだしかなくなる。

 がいしんちょうがあったため、あしめんかない。


 かみみぎうでかぶった。




にんげんごときがれいくちいてんじゃねえよ」




 こぶしちゅうちょなきはやさでオレのがんめんちかづいてくる。




 ――あ、やばい。ぬ。




 オレはとっをぎゅっとつぶった。












「――いまのはおれわるかった。しつれい




 ぜんげんこわいろわった。

 こえやさしくなっていた。



 おそおそかただけけると、かみはもううでかぶっていなかった。


 むなぐらからはなしてくれた。

 ドサリとくずちるように、ほんとうこしけた。

 あしめんにべったりいた。



 かみけてずかずかもどっていった。



 むなもとさわった。

 ふくむなぐらをつかまれたあとなまなましくのこっている。






 ………………すっっっっっごいこわかった……!!!






 こっっっわ!!!

 なにあれなにあれ!!!




 しょうがっこうのとききゅうしょくしょっってこうちょうしつしされたときよりもこわかった!!



 のいじめられっはすごいな、こんなことをまいにちえてんの?

 もううったえてもいいレベルじゃん。

 そういえばむなぐらをつかこうってぼうこうざいはいるらしいね。

 なんだ、けいさつうごいてくれるじゃないの。



 え、きゅうになんなわけ?

 めっちゃきゅうたいわった。

 こわいんですけど。

 え、だれかにかれた? かみさまなのに?


 なぐられそうになったこともこわかったけど、わりはやさもこわすぎ。

 もうなにごともなかったかのようにすわってるし。

 ぜったいこのひときなことてんじょうてんゆいどくそん』だよ。


 なんだそのがお

 ちょっとぐらいもうわけなさそうなかおしてろや。



 あっぶねえ、じょうだんきでかおかたちわるとこだった。

 オレのこのもちもちほっぺがなくなってしまうのはさすがにいただけな、あ、うぶめっちゃえてた。ずかし。



 そういえばオレんでたんだった。

 やばいぬーじゃないよ。

 もうんでんだよ。

 ぶんっててかなしくなったわ。



 えーっと、なんのはなししてたんだっけ。


 あのきんピカぼうりょくしんしゃかみさまで、オレはもうんでて、それから……あれ、ぜんぜんはなしすすんでないじゃん。


 はなしさえぎったのはオレだし、いちおうあやまんないとな。

あやまりたくないけど。




「えっ……と、たちわないはつげんをして、すみませんでした。ところで、オレはこれからなにをしたらいいんですか?」


ぶんはなしらしたくせにぶんはなしすすめるのか」




 うーわウザ。

 なんて、まんまん

 つぎけいなことったらマジでかおかたちわる。




 かみひといきいた。




おれはおまえのように、ぎゃくえんとなったどもを『せい』とばれるかいてんせいさせ、だいじんせいあゆませるやくわりつ。つまりおれまれわりのかみだ」


「アセイ?」


ぶつてきしゅだんではいっさいのできないかいまえだ」




 ぶつてきしゅだん……?




「へえ……」




 やっばいわかんなすぎてかわいたへんしちゃった。


 あと『ぎゃくえん』ってなに?

 そういうスピリチュアルてきせんもんようがあんの?

 オレがらないだけかもしれないからかないけどさ。




つづけるぞ。ぎゃくえんじょうすぎてたいしょしきれないため、せいねんのみとねんれいせいげんけている。ほんらいまえらはごくきなわけだが、おれしょうしんげんしたんだ。かんしゃしやがれ」




 んだコイツ。

 たのんでねえよ。

 おまえのエゴじゃねえか。

 オレらをむな。


 んでなんでオレがほんらいごくきなわけ?

 オレなんもしてないじゃん。

 おやこうこうしてないからとか?

 うっざ。


 あ、そういえばオレノーブレーキでてんしゃはしらせたんだった。

 そりゃごくきだ。

 つかてんごくごくってホントにあったんだ。



 ん、てよ?

てんせい』?


 "なんちゃってファンタジーかい"ものがたりでしかかないたんだ。

 じゃあこのひともしかして、マジモンの……?




「オレってる! こーゆーのって寿じゅみょううんぬんじゃなくてかみさまちがいでんだんでしょ!」


「いやちがうけど」


「………………」


「………………」


「えっと………………」


「………………」


「そのかみれいですね」


「ありがとう」




 かみさまからおれいわれるなんてこうえいだなぁ。




「つかさっきおまえぜんだっつっただろうが。わかるか? 『寿じゅみょう』。こんせつていねいおしえてやろうか?」


「ごえんりょいたしますれいたいをおゆるしください。…………あの、ちなみにオレが寿じゅみょうみじかかったのって……」


ほんとうぐうぜんだ。かみかんけいない」


「あ、はい」




 っっっっっずかし。

 もういっそころしてくれ。

 ああもうんでんだった。

 なんかいやんだろうね、このくだり。



 かみさまはまたためいきいた。




ときどきるんだよなあ、というかさいきんマジでえてきた。『てんせい』といてぼうものがたりれんそうしたのか、かみだからってなんでもたのんでくるやつとかずうずうしくタメぐちいてくるやつとか、マジでごくおくってやろうかとおもう」




 グサッとさった。


 かみさまちょういかりモードじゃん。

 いやおあきれモードかな。


 やめて、いまはもうのうていしたしんぞうがチクチクいたいから。

 ああのうていしたしんぞんとか、そんなかなしいことないよ。



 てかオレのほかにもたのかよ、"なんちゃってファンタジーかい"けいんでたやつ。ぜひおともだちになりたいね。


 つかさ、それよりもさ、しょたいめんあいにタメぐちたたけるにんげんがマジでそんざいしたんだ。

 しゅじんこうじゃないんだからさ。


 これはいつもおもうけどマジでけい使つかえよ。

『サザ〇さん』のタラちゃんをならえ。


 やっぱけいもちゃんとできないにんげんとはともだちになりたくないな。

 まあオレもあんまけいできるほうじゃないけどさ、でもですますくらいはうよ。


 あれ、そういえばオレこのひとってはじめてったときタメぐちだったような……。

 それどころかさっきからこのひとにタメぐちしかいてないような……。




「おまえつぎけいなことしゃべったらくちうからな」




 オレ"も"ってことは、もうすでくちわれたひとるってこと……?

 けいなことわないようにしなきゃ……。


 あっ、でもオレいまからしつもんしようとおもってたけど、これってけいなことなのかな……?




「あの、ただいましつもんけていらっしゃいますでしょうか」


ゆるす」


「ありがとうございます」




 よっしゃ。

 ずかしすぎてちょうてい姿せいになっちゃった。


 だってもうこのひとまえおおぐちというかタメぐちというか、しんまんまんでなにかをかたることってもうできないもん。


 オレのながながとしたきょりに「ゆるす」のたった3へんとうしたからね、あつがすごいよ。




かい……えっと、アセイ? ……にくってことはかいした、ん、です……けど、なんでかいなんですか? きゅうじゃダメなんですか? オレもっかいほんらしたいです」


「なぜまれきょうしつする。おまえおやゆうじんともういちえるしょうなんてどこにもないんだぞ」


「じゃあかえらせるっていうのじゃダメなんですか?」


「おまえみてえにすで寿じゅみょうげんれたにんげんをどうよみがえらせろっつんだよ」




 ひとをそんなかいみたいな……。

 オレやっぱこのひときになれないわ。きらいだわ。




「そもそもここはんでからさいてい49にちたねえとれねえんだよ。ほんつうきてりゃそうされてほねだけになんだろ。それでどうやってせいかつすんだよ」




 それをどうにかするのがかみさまなのでは……あ、あぶね。これはけいなことか。




「よくわかりました、ありがとうございました」




 ……。


 …………。


 ………………。


 なんとかえや。


 あいづちてねえのかよ。

 ひじつくな、あしなおすな。

 それがひとはなしたいか。

 うあーやだーこいつきらいー。


 はかなけいイケメンごうまんくだしクソがみだったら、せいけいじんなまやくたずがみがいい。


 オレぶんこいつがせいてんかんしておんなになったとしてもこいつきらいになる。

 なるほど、これがせいてききらいってやつか。


 もうやだ。

 もうこれじょうこいつのそばたくない。

 はやはなしすすめてこいつをかいからまっしょうしよう。




「それで、いまからオレはどうすればいいんでしょうか」


「そこをうごくな」




 かみがるとちいさくげた。

 たんほそながび、つえわる。

 それはごとかみなかおさまった。


 え~~~なにそれ。

 そんなところでかみさまパワーせないでほしい。

 すげえっておもっちゃうからやめて。


 あ、もしかしてせびらかそうとした?

 すごいっておもってほしかった?

 だっせ~~~~~。

 そういうかみさまだっさ~~~~~。

 おまえてのひらうえじゃおどらねえぜオレは、ぐえっへっへっへ。




さいしょっておくが、おれおくさきはランダムだ。みぎひだりわからないさいしょころしっぱいしてちゅうくうかんしんかいざんなかなどにほうしたこともあるが、それはもうなくなったからあんしんしろ」




 わなきゃいいじゃんそういうこと、いっしんぱいになったわ。

 ね。

 カス。

 きらい。




べたにられることはしょうしてやる。だがかんきょうあんぜんまではしょうできない。そこでえいゆうとしてせきぞうのこされたやつれば、れいとしてざまげたやつる。ったからな、こくしょまれたとしてももんうなよ」




 せきにんわないタイプ~。

 オレぜったいこういうひともとはたらきたくない。



 かみはそこからつえさきをオレにけた。




ななつのぜんうるわしくかなでる。

 ななとくめばたいざいまれる。

 しちふくななつのりくかいわた沿う。

 七日なのかあきふくむ。

 ななつのしっぽうひらく。

 かれふみめぐ

 ヤヌイシボコイ、カマ」




 すると、オレのからだがすっぽりはいるくらいのおおきさのまるせんあしもとあらわれた。

 それはだんだんしろひかり、えんなかえんあらわれた。


 またそのなかへんせんせんからまりい、どうえんふちにはへんだかようだかがぐちゃぐちゃとらばっていく。




「わっ、わ、なになに?」


うごくな。みだれる」




 おもわずえんからあしがちょっとちゃった。

 だってこればっかりはしょうがないでしょ。

 だってさ、これさ……やっぱあれだよね。

 ほうじんだよね。


 ねえ、ほうじんだよねこれ!

 すげえ、ほんとうほうじんだ!

 ほうじんなんてほんとうにあったんだ!


 どうしよう、ちゅうびょうさいはつしちゃう。

 でもだいじょう、オレのひだりふうじられたこくりゅうおさむから。




「ところでそのじゅもんってなんですか?」


おれきてえよそんなこと。せいおくるにはいちいちこれわねえといけねえんだよ」




 へー。

 かみさまにもいろいろあるんだなー。




しつもんするならこれがさいだ。なんかあるか」


「あ、あるあるあります!」




 オレはげてぴょんぴょんねた。




かみさまのおまえってなんですか?」




 どうせこれでわりなんだからけいなこといたろってちでいた。

 でもかみさまはちょっとビックリしたみたいで、おおきくひらかせた。

 さっきブチれたときとはまたちがひらかただった。

 なんだろ、なんか、かれることをそくしてなかったみたいな、そういうビックリのかただった。




ってもわからないだろ」




 そのあとすこかんがえるようにせんしたけ、またオレのほうを向いた。




「ジュネ」




 ってもわからなかったなあ。




「ありがとーございましたぁ」




 ひかりだんだんつよくなっていった。

 したからひかりてるからどこをてもまぶしいな。

 これじょうオレのりょくうばか?

 いま、なんか、えっと、ちょくしゃにっこうじかびてるみたいな、そんなかんじだよ。




「これってどのくらいひかるんですか?」


「こんなのまだじょくちだぞ」


「これで? じゃあもっとつよくなったらけられなくなるんですよね」


「そうなるな」


けるとどうなるんですか?」


しつめいめばいいな」




 しつめいじょうこわいことがあるんですか……!?




「じゃあな、かざじゅんろうおれまえあらわれるなよクソガキ」


「オレだってめんだわこんなとこ」


「おまえこれでさいだからってけいなことくっちゃべってんじゃねえぞ」




 やべ、バレた。



 そっかー、オレもこれでかいデビューかー。


 かいってどんなとこなんだろ。

 やっぱギルドとかあんのかな。

 どんなものんでんのかな。

 あんがいいところがいいなー。


 ひがしくにじゃほんみたいなぶんがあるくにがあんのかな?

 だったらオレそこがいいな。

 サムライかざとしてかいじゅうまえとどろかせて やるんだ。


 オレだけてんさいでオレがいぜんいんあたまわるいっていうのはいやだな。

 ゆうえつかんにはひたれるけどね。

 でもなんでもないことまですごいすごいってわれたらはらちそう。


 そのかんきょうとかでオレおやないこととかもあるわけだよね。

 てもオレのほんとうおやじゃないんだよね。


 てんもいいけど、てんせいだったらいまのオレのおくはなくしてほしいな。


 ぞくのことおもすとかなしくなるだろうし。

 げんにいまちょっとかなしいし。


 でもおもさなくていいおくおもさなくなるならそれはそれで……。






 おもさなくていいおく…………?











 オレまえくろれきノートしょぶんしてないじゃん。











ってってってってって!!! おねがいちょっとだけって!!! オレいますぐかえんなきゃダメなの!!! かえってしょぶんしないといけないものがあるんだよ!!!」


「うっせえあきらめろ。かえれねえっつっただろうが」


くろれきつくったことねえくせにかんたんあきらめろとかうんじゃねーよバーーーーーカ!!!!!」




 こうしているあいだにもひかりだんだんつよくなっていき、とうとうけられないくらいまぶしくなった。


 ってオレほんとうっちゃうの?

 おねがい、ちょっと、ちょっとでいいから。


 しょういんめつぐらいさせてよ!!

 このさいおやにはわなくていいから!!


 あ、またかみさまこえこえた。

 しかもしたきで。




「うるせえなあ。おまえほんとうごくちればいいのに」

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風見鶏は強がっている 下横カルミア @shitayoko_kalmia

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