第11話

 狭い教室で辺り構わず暴れていた光太郎の背後に、黒い物体が迫っていた。

 屈んでいた藍川が危ない! と、思って目を閉じた。

 その時、藍川の手が仄かに光った。

 光太郎の身体も同時に、仄かに光りだした。


「あれ? 手があったかい? なんで??」


 藍川は不思議がって目を開けると、光太郎は、それでも気がつくことなく。黒い物体をなぎ倒していく。背後にいた黒い物体が、光太郎目掛けて派手な頭突きをした。だが、ぶち当たった光太郎はびくともしない。


 それどころか、光太郎の身体に黄金色の翼が生えた。


「うおおおおーっ! とどめだ!」


 光太郎が背後の黒い物体を炎の拳で燃やすと、それで最後だった。

 黒い物体は全て燃えカスになり、教室は静けさを徐々に取り戻していった。 

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