第10話
鈴姉は……きっと……。
気がつくと、光太郎は天台学校のグラウンドに戻って来ていた。
「うっがーーーっ!」
前見た血塗れの得体の知れない生物は、硬そうな尾を持つ巨大な黒い物体に変わっていた。目だけが真っ赤で、ぎょろりとしている。
まるで、大きな黒い蛇のようだ。
高さと長さは、二メートルくらい。
未だに、校舎は逃げ惑う人々で大パニックだった。
光太郎は拳を握ると、今度は真っ赤な炎が腕から拳へ行き渡る。不思議と熱くはなかった。
炎のパンチを黒い物体に打ち込むと、黒い物体は遥か後方へぶっ飛び。
瞬時に、燃えカスとなった。
硬くて、弾力が少しある。
光太郎は、黒い物体がゴムのような感触だと思った。
光太郎は無心でたくさんの黒い物体を、叩きのめす。
そうこうしていると、クラスメイトの
「光太郎さーん! こっち来てー! 学校内の黒い蛇も倒して!」
「凄ーい! 光太郎くん!」
「凄いですわ! 光太郎!」
「光太郎ー! カッコイイじゃん!」
藍川の取り巻きが叫ぶ。
藍川 廻は学校一有名なアイドルの卵だった。
「うらーーー!」
光太郎は学校内へと駆け出した。そして、教室にたどり着くと、ギュウギュウ詰めの黒い物体を見境なく、片っ端から、炎の拳で燃やしていった。藍川と取り巻きは、教室の片隅で蹲っている。
「光太郎! ちょっ、危ないよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます