第7話
「あれ? なんか神社があるな」
「ほんとだ。流れ星が落ちていったところに神社があるぞ」
「おい、佳山。あのさ、雰囲気最高なんだし、ここで祈れば鈴姉が蘇ったりしてな?」
「そりゃ、……そうかな?」
光太郎は、急いだ。
佳山も後を付いていく。
満点の星空に溶け込むかのような神社には、鳥居が十重二十重と並んでいる。
満点の星空に溶け込むかのような神社には、鳥居が十重二十重と並んでいる。光太郎たちは、その中を潜りながら走った。
光太郎は玉砂利の上を、星空を見ながら、おろおろとしている茶色い服のお婆さんを見つけた。
「おや? そこの若い人たち! こんなところに何の用だい! ここへきてはダメだよ! ここはお前たちのような若い人がくるところではないぞ!」
お婆さんはオロオロとしていたが、光太郎と佳山に凄い剣幕で怒鳴りだした。時折、星空の流転が速くなったかのようだった。
「なんかさあー、困ってるように見えるんだよなあー」
光太郎は呆れて、周囲に気を配る。
だが、お婆さんがどんなことに困っているのか、皆目と見当がつかない。
「ああ……若くて悪かったな。でも、どうしたんだ? そんなにオロオロしてるなんて? 入れ歯かメガネでも落としたのか?」
佳山も親切な奴だった。
玉砂利を、隅から隅まで熱心に探している。
「いやいやいや。お前たち、星宗さまを見なかったかい? 見なかったのなら、もう用はない。早く。ここから立ち去りなさい」
「星宗さま? そのひとは女の人か? あ! その星宗さまって、鈴姉を蘇らせられることってできるのかな?」
「光太郎。きっと美人の女の人だよ。こういう神社に絶対似合うじゃん」
「こらーーー! 星宗さまになんてことを?! それに、お前たちは……さっきから、何を言っている? ……ひっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます