第7話

「あれ? なんか神社があるな」

「ほんとだ。流れ星が落ちていったところに神社があるぞ」

「おい、佳山。あのさ、雰囲気最高なんだし、ここで祈れば鈴姉が蘇ったりしてな?」

「そりゃ、……そうかな?」


 光太郎は、急いだ。

 佳山も後を付いていく。


 満点の星空に溶け込むかのような神社には、鳥居が十重二十重と並んでいる。

 

 満点の星空に溶け込むかのような神社には、鳥居が十重二十重と並んでいる。光太郎たちは、その中を潜りながら走った。


 光太郎は玉砂利の上を、星空を見ながら、おろおろとしている茶色い服のお婆さんを見つけた。   


「おや? そこの若い人たち! こんなところに何の用だい! ここへきてはダメだよ! ここはお前たちのような若い人がくるところではないぞ!」


 お婆さんはオロオロとしていたが、光太郎と佳山に凄い剣幕で怒鳴りだした。時折、星空の流転が速くなったかのようだった。


「なんかさあー、困ってるように見えるんだよなあー」


 光太郎は呆れて、周囲に気を配る。

 だが、お婆さんがどんなことに困っているのか、皆目と見当がつかない。


「ああ……若くて悪かったな。でも、どうしたんだ? そんなにオロオロしてるなんて? 入れ歯かメガネでも落としたのか?」


 佳山も親切な奴だった。

 玉砂利を、隅から隅まで熱心に探している。


「いやいやいや。お前たち、星宗さまを見なかったかい? 見なかったのなら、もう用はない。早く。ここから立ち去りなさい」

「星宗さま? そのひとは女の人か? あ! その星宗さまって、鈴姉を蘇らせられることってできるのかな?」

「光太郎。きっと美人の女の人だよ。こういう神社に絶対似合うじゃん」

「こらーーー! 星宗さまになんてことを?! それに、お前たちは……さっきから、何を言っている? ……ひっ!」

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