第4話
いつもの血のように赤身がかって……。
太陽光線が、これ以上ないほど真っ赤だった。
このところ世界中では、想定外の異常気象が目立ってきていた。
赤い空から、小さな黒い斑点が見える。
佳山の言う通りに、空から何かが無数に降ってきていた。
「鉄屑? 大空が大量のゴミを捨てたみたい? だんだんこっちに近づいてくるわね」
「大きいなあ。あれ。まさか全部爆弾なんじゃ……」
「いや、ありゃ、カプセルだろ? だって、円筒形で窓みたいなものがあるじゃん」
鈴姉が佳山と一緒に、空を見上げた。
確かに、窓のような外から中が見えるような透明なガラスがついている。それはまるで巨大なカプセルのようだった。
「うーん……なんだろ? あれ?」
光太郎は目を凝らした。
「いや、どう見たってありゃ、カプセルだろ!! 中に何か入ってるんだよ!」
「え? え? 宇宙人でも入ってるのかしら? 避難した方がいいわ!」
近くの道路に、最初のカプセルが落ちた。
凄まじい衝突音と共に、道路の瓦礫など車の破片などと共に透明な水が飛び散った。
ここまで、爆発的な水飛沫が飛来する。
それを機に、街の至る所から地響きと、大爆発や破裂音が木霊してきた。
「光太郎! ひ・な・ん! 避難した方がいい! ほら、急ぐわよ!!」
「ありゃ! こっちに飛んでくるぞ!」
「お、おう!」
カプセルと地上との正面衝突に、巻き添えを喰らった水に濡れた何台かの普通自動車が、こっちへ飛んできた。
「鈴姉! あっぶねええええーー!!」
光太郎は、どんどん距離が縮まってくるたくさんの普通自動車に、鈴姉の危機を感じ取った。急いで、光太郎は鈴姉を庇おうとするが、すでに鈴姉の頭上には一台の普通自動車の前輪タイヤがあった。
そのまま普通自動車は、音もなく鈴姉を押し潰す。
「す! 鈴姉!!」
慌てて、光太郎と佳山は普通自動車に駆け寄り、精一杯車体を押し上げようとした。二人掛かりに力押しで、普通自動車の車輪を持ち上げる。案外なことに火事場の馬鹿力か、車体ごと斜めに少し持ち上がった。
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