第3話 異常進化

 同時刻

 つくば市 天台高校


「ねえ、光太郎? 今日の卒業式でお別れね」

「……ああ、卒業おめでとう」

「ホントにお別れね。寂しくなるわね」

「……ああ」

「明日には、早朝に空港へ向かうわ」

「ああ……」


 鈴姉とは今日で、ホントのホントのお別れだ。

 これといって、何て言おうとも考えていなかった。

 

 お土産買ってきて?

 海外でお幸せに?

 大学の名前が未だに覚えられません?


 でも……これで、ホントにオ・ワ・カ・レ……。

 

 なのか……。

 

 鈴姉は頭がいい。

 そりゃあ、海外のナントカ大学へ行くのはどこもおかしくないけどさ。


 でもなあー。


 なんかなあー。


「よっ! 光太郎! いつまでも、校舎の隅にいないで、外へ出てみろよ。空から何か降って来るんだ」

「ああーん?」


 友達の佳山の声に。

 廊下の窓際から見える空は……。

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