第3話 【勉強】相対評価の基準を定める

 皆様は創作活動において、どのような目標を定めているでしょうか。



 もちろん大賞を獲りたい。

 最低でも一次選考を通過したい。

 PVを増やしてリワードを稼ぎたい。

 サポーターを増やしてファンを作りたい。

 ひとりでもいいから私の作品を読んでほしい。



 パッと思い浮かぶだけでもこれだけあります。

 このどれを選択するかで、目指すべき作品像が変わってきます。


 いろいろアプローチはありますが、ここでは私の目標である「長編小説賞の大賞を獲りたい」に焦点を絞ります。



 「長編小説賞の大賞を獲る」ためには何が必要なのか。 

 完結させること。

 破綻しないこと。

 読み手を誘い込むこと。

 一話目が読まれたら二話目も確実に読ませること。

 読み手に訴えるものがあること。

 リズムがあって読みやすい文体。


 これに加えて「他の書き手よりも面白いこと」が挙げられます。



 小説賞・コンテストは相対評価です。出来栄えがよい作品のほうが評価されやすい。

 私にとって100点の物語を出しても、他の人が101点の作品を提出すれば大賞にはなれません。

 絶対評価ではなく相対評価なのです。


 「誰よりも面白い」から相対評価でトップに立ち、大賞を射止められるのです。

 今回の「カクヨムコン9」では、一名の方が複数の賞を獲るという状況が見られました。

 「スペックの違い」で片づけないでください。

 一作も残らなかった我々は相対評価でその方に遠く及ばなかったのです。

 日々の研鑽なくして、時流を掴む文章力、構成力は身につきません。

 どこまで相対評価を高めていくか。


 たとえば私のフォロワーさんの中で私より下にも数名いますが、上にいるフォロワーさんのほうが大半を占めています。つまりフォロワーさんたちの中での相対評価も低いのです。

 身内といえるフォロワーさんたちのなかで相対評価が低いのに、全応募作の相対評価で大賞を獲るなどありえません。


 やはり相対評価をいかに高めていくかが大賞を獲る最大の秘訣ではないでしょうか。



 それじゃあ相対評価ってやつを高めればいいんだな。


 ちょっと待ってください。相対評価を高めるには基準が必要です。

 なにかと比較して上か下か。

 この基準がなければ、いくら相対評価を高めたくてもやりようがないのです。


 世界一の野球選手を目指している高校球児がいたとします。

 監督やコーチから言われたことに唯々諾々と練習しても、どれだけ成果があったのか。知る術がありません。

 しかし「大谷翔平選手」を基準とすれば、自分がどれだけ及んでいないのか、がすぐにわかります。

 「大谷翔平選手」は天賦の才だから参考にならない。

 そう考えているうちは、プロ野球チーム入りのドラフト会議にも引っかかりません。

 長打率では「大谷翔平選手」にこれだけ及ばないが、盗塁数なら勝てる。であれば、全体のレベルアップはもちろんのこと、盗塁に磨きをかけるべきです。


 このように相対評価には基準を作らないと成長に繋がりません。

 小説投稿サイトなら、大賞作の分析をするよりも、単に大賞作を読んでそれを基準にして自分が一次選考を通過しなかった作品との差を調べましょう。

 それが相対評価の攻略法です。




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