第9話 ショーン捜査官

「やりましたね。正真正銘の侵略者です。この男は」

駆けつけた仲間が言った。

「銀河系から逃げてきて、リラ星人に取り憑いた黒の魔族のたましいだ」

「本部に回収願いします」

「そうだな。でもこっちでもできるだけ処理しとこう。後が楽だ。このリラ星人を拘束してくれ。みっちりとな」

「了解」仲間は倒れている男をテープで拘束した。

「この辺りを立ち入り禁止にしてくれ」

「はい。ショーン捜査官」

仲間は辺りを立ち入り禁止にした。

「なんですか?あなた達。ここで何をしているのです?」ここのスタッフが来て言った。

「私はショーン・サテライト捜査官。この都市にリラ星人に取り憑いたたましいがいるとの情報を聞いて捜査していた。今、ここにいる男を処理した。侵略したたましいが、この男にいると思われる。マジックボックスに隔離せねばなるまい」

ショーンは第7艦隊宇宙捜査官の証明書を見せた。

「失礼しました」スタッフは頭を下げた。

「どこまでやるのです?捜査官」

「たましいをマジックボックスに隔離する所までだ」

「本当に処理班を待たないのですか?」

「急がないと、他のやつに取り憑く怖れがあるんだ。今やるぞ」

「なるほど。了解です」

「この電極を手と足に取り付けてくれ」

仲間は電極をリラ星人に着けた。

「よし。電力を上げるぞ」

ショーンは電力のコントロールダイヤルを回した。

リラ星人は体をブルブルと震えだした。

「よし。マジックボックスの吸引ホースを口にあてろ」

仲間はホースに口に当て、固定した。

コントロールパネルのランプが赤く点灯した。

「よし。出てくるぞ。エクトプラズムが」

「捜査官!リラ星人の頭が震えています。ホースが外れそうです」

「何だと!もう少しだ。がんばれ」

リラ星人の頭がガクンと横を向き、ホースが口から外れた。

その瞬間、リラ星人の口から白い蒸気が出てきた。

「まずい。処理は失敗だ。全員、口をおさえろ。乗り移られるぞ!」

白い蒸気は天井に上がると、すばやく離れていった。

「大変です。捜査官。目標を見失いました」

「急いでアナウンスするようにしてくれ。急いで、自分の部屋に戻るようにと。いや、もう遅い。きっとたましいは誰かに乗り移ってしまうだろう。俺のミスだ」


 ジルはカジノで大儲け。コインが1000枚になっていた。

「キュー。どうだ。増えたか?」

「すっからかんになりそう。あと10枚」

「ハハハ。このスロットの変わるタイミングを見極めるんだよ。良く見て」

「ジルの動体視力はすごいなぁ」

「なんだか辺りが騒がしいな」

「人が急いで走ったりしている」

「あ!鎖に繋がれている人がいる。きっと犯罪者だね」

「うん。宇宙警察に捕まったか。大男が連れられているなぁ」

大男は罪を犯し、刑務所へ移送されている所だった。

そこへ、白いたましいの蒸気が天井から移動してきた。

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