第4話 アーリー

 ずいぶん洞穴に隠れてから時間が立っていた。

「コング・・神様の所に行ける場所は、あとどれくらいなんだろうか?」

キューが尋ねた。

「うむ。まだぜんぜんだ。4分の1ぐらいか」

「少し冷えてきた。日没も近い」ジルが言った。

「私、現代の世界でアーリーがイヤリングを持ってきた時、アーリーが落としていった物があるの。たぶん、アーリーの首に付いていたのが、落っこちたのだと思うわ」

ちいは黄色のホイッスルのような物を見せた。

「うむ。ホイッスルのようだ」

「ちょっと見せて」ジルがホイッスルを分析した。

「良くわからないが、複雑な作りだ。ただの笛ではないようだが。魔力も感じられる。使い道が分からないな」

「ふ、吹いてみたらどうだろう?」キューが言った。

「うむ。良いだろう。ガイコツ騎士もいなくなった。吹いてみよう」

コングは黄色のホイッスルを吹いた。

ピロ~ ピロ~リ~

皆は緊張して、笛の音を聞いていた。しかし、何も起きなっかた。

「何もおきないじゃないか」とコング。

 大きな鳥が頭上から羽ばたいて降りてきた。皆は天を見上げた。

「アーリーだ!」ちいが叫んだ。

アーリーは謎の鳥で、魔法で入れない場所も移動でき、前回は時空も超える事が出来た。

「アーリー!久しぶりね!」ちいは喜んだ。

「呼ばれたからね~笛を吹いただろう?」

「お前を呼べるのか?この笛」コングが言った。

「そうだ!頼みがある。神の国へのドラゴンがいる場所へ連れてってくれないか?」

「う~ん。おいら、あのドラゴン嫌いなんだよな~」

「そう言わずに!」コングがお願いした。

「う~ん。いいよ。連れてくよ。大サービスだよ」アーリーは承諾した。

「よし、みんなアーリーに乗るんだ」コングが言った。

アーリーは大きな鳥だったが、さすがに4人は窮屈だった。

しかし、みんなしがみつき乗ったのである。

「う~ん。重いなぁ」

「頑張れ!アーリー。場所はここだ」

地図をアーリーに見せた。

「了解!いっくよ~」

アーリーは羽ばたき、バサバサと飛び立った。

雨がブワッと降ってきて、みんなの姿が消える聖水は取れてしまった。

「アーリーがいなかったら、危なかった。消える聖水ももうないし」キューが言った。

 もうすっかり夜も更けて、真っ暗闇だった。

アーリーは不思議な飛び方をした。

突然ワープのような、空間が灰色になった。ただ空中を飛んでいるだけではないようだ。

「たぶん、俺達は歩いては目的の場所へは着けなかったかもしれない。アーリーは魔法のバリアーを避けたりして飛行している。ジーズの森の奥はとても神秘な場所なのだろう。アーリーが来てくれて良かった」

ジルが言った。

「うむ。たぶん歩いていくと、何回も同じ道をループさせられたかもな」とコング。

「もうすぐ着くよ。ちょっと最大の魔法陣を通り抜けるから、みんな目をつぶって、しっかりつかまってっくんろ」

辺りはフラッシュして光った。雷が横から走っていた。風も強く、嵐のようだった。

「わ~!こ、こわい・・ちいたん!」

「キャ~キュー!怖い!つかまってね~!」

しだいに嵐が弱まってきた。

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