第9話

『ガアアアアアアアア!!』

「きゃあああ!!」

「大丈夫です!私が守って見せますから!!」

ハウスは虚勢を張っていたが明らかに恐怖で支配されていた。

「この大鳥め!どうせ見かけだおしに決まってる!喰らえ!!」

『ガア』

ハウスは魔術を放ったが怪鳥はまるで効いてない。

『ガアアアアギャアアアアアアオオオ!!!!』

それどころか逆に怒らせてしまったらしい。

怪鳥はもうスピードでアスタリ王女達に迫って来た。

「ひいいいいいいい!!」

ハウスは王女を置いて敵に背を向けて逃げてしまった。

「は、ハウスさん!?」

王女は困惑していた。

仕方ない。

『ガアアアアアアアアア!!』

「バリウス」

俺は魔法の壁を張り怪鳥から王女を守った。

『ガアア?』

怪鳥の巨体は弾かれた。

「あなたは?」

アスタリ王女は目を見張る。

「王女早く立ってください!ここは危険です!」

王女は俺の手を掴み何とか立ち上がる。

「逃げましょう!でないとあのバケモノに殺されてしいます!」

「大丈夫です」

俺は球魔を容赦なく放った。

『ガ…アア』

怪鳥は呆気なく倒れた。

「し、信じられない…」

王女は死体となった怪鳥と俺を交互に見る。

「あなたは…ソーレさん?何でここに…」

「あなたとハウスがこの森を進んで行くのを見て、危険だと思い二人を見張っていました」

「あんたがここにいなければ私はあの鳥の餌となっていたでしょう…」

「あの鳥はスラカといって肉食のモンスターです。特に人間の肉を好む危険な獣です」

その時、王女は俺に抱き着いてきた。

「お、王女様!?」

「ありがとうございます…ソーレさん…私…死んでしまうかと…」

震える王女を俺はしばらく慰め、しばらく経った後王女を城まで送り届けた。


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