第7話

「う、美しい。美しすぎる」


そんな声が方々から湧き上がる。


アスタリ王女が姿を現した。


薄い青のドレスに身を包んだ王女の姿は確かに美しく俺も思わず見とれた。


アスタリ王女の美しさは隣の国まで伝わっていると言われている。


そして、そんな噂が流れるのも納得の美しさだった。


雪の様な白い肌。

青い瞳。

黄金の髪。

この世のものとは思えない美麗さがある。



「ソーレ、何腑抜けた顔してるの。そんな顔してるとアスタリ王女に失望されるわ

よ」


「わ、分かってる」


俺は姿勢を整え、表情を改めて引き締めた。


アスタリア王女が一人一人の貴族の跡継ぎ達に握手して回った。


若い跡継ぎ達は鼻息を荒くしていたり、アスタリ王女をジロジロと眺めまわしたりし

ていた。


特にハウスは酷く、アスタリ王女の手に執拗にキスをしたり鼻息を荒くした。


王女は不快な表情を浮かべたがすぐにハウスに笑顔を見せた。



そして順番に挨拶をし俺の目の前にやって来た。


俺はそつなく挨拶をした。


だが、アスタリ王女は俺の目を見つめる。


何事かと思ったが王女は


「あなたがソーレさんですね?」


「はい…そうですが」


王女が俺の名前を口にした。


もしかして俺が四大貴族の落ち目となった要因だから名前を言ったのか


だとしたら王女には少し失望することになる。


「精悍な顔をしていますね」


「え…」


そう言って王女は去った。

その後、パーティーが行われ王女にアピールするために多くの貴族男子が踊りの誘いをした。



「ソーレさん、よろしければ私と一曲踊ってくれませんでしょうか?」


俺は思わず口をぽかんとした。



「駄目でしょうか?」


俺は慌てて我に返る。


「よ、喜んで!」


俺はアスタリ王女と一曲踊った。


「な、何故あんな落ちこぼれが王女と!?」


「何かの間違いだろう…」


その中で特にハウスは酷く悔しがった。


「クソ!ソーレの野郎!!」



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