新しい夜が来た(2)
水影山と白捨山の
霊園山専任の人間が墓地と商業施設の管理及び巡回を行う。
専任で無い義瑠土の登録員が、契約のもと墓地のみ巡回業務を行っていたりと、様々な立場の人間が霊園山に関わっているのである。
特に夜間の巡回は‘魔獣の駆除やアンデッドへの対応‘など戦闘力が求められる場面も多い。
荒事に慣れた人材が必要なのだ。
そんな荒事もこなす若い男女2人が墓地区画に向かう道を歩き始めたのだが、京弥のどこか考え込むような表情に桜が
「センパイ顔色悪いっすよ?イケメンが台無しっス」
「いや……」
「(どおしたんスかね?)」
煮え切らない返事だ。
こっちまで不安になってしまう。
そう思った桜は、少しセンパイをおちょくってみることにした。
「セェンパァイ。さっき駅に着く前に走ってる私のどこ見てたんスか?なんだかお尻のほうに目線がいってたような…。センパイのエッチ」
「いぃいいやぁ?ミテネェヨ」
「……不問にしまスけど。で? どしたんスか」
「……お前も
京弥は、先ほど登場から怒涛の速度で退場するに至った‘
ーー人間の魂が
ただ、魔法元年以前よりは魔力の影響で、物理世界への干渉や他者からの視認が比較的カンタンになってる。
…視認できないのに有害性がある場合は魔獣より厄介だ。
逆に霊感や魔術行使がなくとも視認できる程、未練や怨念を糧に存在強度が高まった
無理だ。ホントいろんな意味で。
んでそこから怪異って呼ばれるものに変化して、語り継がれて、さらに力が
「さっきの
と、京弥は自身の心情を
「う~ん…。
桜のいかにも直感的な意見に京弥は毒気を抜かれ、深く考えないことにしたのだった。
・
・
・
京弥と桜の2人と別れ、七郎は亀甲縛りの
「あなたは死んだ」
七郎が
―――??????
「もう死んでるんだ」
―――??k@??
七郎の一言を切っ掛けに、黒縄で捕縛した直後とは比較できない程、
「死を認め、安らかに眠りたい意思が残っているなら、
―――dhんd女f憎iiい:@:p;*-憎憎
自身の死の実感。その実感が無いことにより苦痛を忘却し、自身を生者と思い込んでいた彼の在り
本来、ただの
しかし、
この日本と、十数年前にゲートによって繋がった異世界風に表現するならば‘
周囲の魔力を得て、異常な速度で存在強度を上げていく
その至近距離に立っている墨谷七郎という男の眼は、何処も見てはいない。
―――はytsgbんm吊は首ィiiィィィィ!!!
次の瞬間には膨らみ切った悪意を巨大な爪に変化させ、ゴーストは
しかし、この展開を当然の如く予想していた墨谷七郎の手には、いつの間にか
それは殺意で
その
その黒剣を片手で振るい、
――構っているほど
黒剣を
七郎は視線を一瞬だけ、消滅していく悪霊に向ける。
そして再び歩き出した。
「今度こそ守るんだ。
失意と後悔を抱えながら、男は未だ明けない夜のなか、一筋の救いの光を求め
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