第8話 役者、花飼真奈穂
「あ、いた!秋菜、待たせちゃってごめんね!」
「ううん、全然待ってないから大丈夫だよ、お姉ちゃん!」
私は真奈穂と話し終えた後、高等部の下駄箱で夏芽を待ってた。途中、『え、何あの子可愛い~!中等部の子?』だとか『誰か待ってるのかな?』だとか言われてたが、それはもう一切気にしないことにした。
「よーし、それじゃ帰ろっか!帰ったらまたレッスンだよ!」
「うん!今日のレッスンも頑張る!」
……と、夏芽と色々学校初日の事について話しながら帰り、私は家に着いた。あぁ、そういえば真奈穂と別れ際に
「そういえばうち長いこと役者しててな、今日のドラマに出るんよ。良かったら見てな。きっと魔王サマも気に入ってくれると思うで」
「わかった……が、その魔王サマって呼ぶのやめろ。私は秋菜だ」
「あっはは、悪い悪い。そいじゃ、また明日な。もし見たら感想聞かせてなー!」
って会話をしたな。だから一応今日は休憩がてらその真奈穂が出るドラマとやらを見る事にするか。
そういえば……ドラマってなんだ?見てってことは……テレビに出るとかそういう感じか?
「はい、それじゃあ始めるよー!」
「うん!よろしくお願いします!」
うん、やっぱりダンスは楽しいな。とても気分が楽になる。疲れ等はあるが……ただ、それ以上に楽しいので気にしないことにしておこう。
「……ふぅ。疲れたね。今日はここまでにしよっか」
「今は……十九時五十分。あ、お姉ちゃん」
「ん?どうしたの?秋菜」
「テレビ見たいんだけど、いい?」
「え?うん、いいけど……珍しいね、秋菜がテレビ見たがるなんて」
「えっと……初めてのお友達がドラマ?って言うのに出るんだって。確か役者やってるって言ってた」
「え!?秋菜もうお友達出来たんだ!凄いね~!それに役者さんなんだ!じゃあ私も見よっかな!最近あんまりドラマ観てなかったし!」
夏芽に聞いたところ、ドラマは演劇や芝居とそう大して変わらないらしい。……お、もうそろそろ始まるな。それじゃあ、お手並み拝見といこうじゃないか……花飼真奈穂。
「えっと……どんな感じの役やったー、とかは聞いた?」
「ううん、聞いてない。けど、声聞いたらわかるよ!」
「そっか!っていうか、新ドラマなんだね。……お、始まったよ!どうやら恋愛ものみたいだね!」
『君が私に恋をする日』……これが、ドラマの名前だ。確かに、もうこれでもかと言うほどに恋愛が関わってくるのは伝わってくるな。あと、今日からスタートするみたいだ。
『今まで、ありがとうございました。皆さんと過ごしたこの数年、絶対に私は忘れません』
……声的に、こいつが真奈穂なのだが……それを信じたくない自分がいる。……これが真奈穂なのか?全く雰囲気とかも違うじゃないか。まぁ、私の正体を見破っただけの事はあるか。
改めて、『君が私に恋をする日』。主人公は
「あ、もう主人公ちゃんが秋菜のお友達なんだ!確か……花飼真奈穂ちゃんであってたよね」
「うん、あってる」
そして新たな高校で出会った同じクラスの
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