温泉旅行は満喫したい その3

 部屋での食事を終え、ボクら女子組は折角だからと旅館にある大浴場に入ることにした。彼女同士裸の付き合いだ。


 裸の付き合いなのはいいんだけど……



「やっぱり栞ちゃんは綺麗ね。大きいのにハリもあって…私のなんて……ほら垂れてきちゃってて…」


「いえいえ。薫さんもお綺麗ですよ。私も見習いたいくらいです」


「………………」


 皆で並んで体を洗っている最中なのだが、ボクの右隣に座ってる栞さんと薫さんがおっぱいについて語り合っていた。ふたりとも相変わらずのサイズ感。見てるだけで胸焼けしてきそう。零央センパイはサイズとか気にしてないって言ってくれるけどやっぱり羨ましい。実際揉んでる時楽しそうだもん。


 仕方ない。隣にいる仲間でも見るか。



「…………なにさ」


「いやぁ?なにもぉ?」


 うん。桜を見ると安心する。心に余裕が持てる。ふたりで頑張ってこうね。


「その顔ムカつくんだけど……!」


「怒んないでよ~仲良くやってこ?」


「どうせおっぱいでしょ。今に見てろ。燈と違って私はこれからなんだから」


「またまた~」


 桜とふざけあいつつ、その平原の奥にある巨大な山には触れないようにする。流石に規格外すぎる。何回か揉ませてもらってるけどふわっふわのもちもちだ。それなのに七海センパイも良い反応してくれるから楽しい。


「どうしたの燈ちゃん?」


「いえっ!なんでもないです!」


 ちょっと見すぎてしまったのか七海センパイにバレてしまった。ボクは適当に誤魔化しつつ、皆よりも短い髪を洗い終えて湯船に浸かろうと立ち上がった。

 するとその時ようやく1人居ないことに気づいた。確かに一緒に脱衣場までは来たはずなのにどこにも見当たらない。


「ねえ栞さん。乃愛センパイは?」


「え?さっきまで居たような……」


「乃愛ちゃんなら着替えてる時にお手洗いに行くって言ってたわよ?」


「へー………それにしては長い…」



「「「「「あっ……!」」」」」



 薫さんから乃愛さんの最後の目撃情報を得る。お手洗いだとしても結構時間は経ってる。皆が乃愛さんを少し心配すると同時に、全員が全く同じ結論にたどり着いた。



「「「「「やられた!!」」」」」



 ――――――――



「いいねぇ……露天風呂にふたりっきり…」


「そうだなぁ……」


 燈達が温泉に入るというので俺は1人で部屋の露天風呂でのんびりすることにした。

 はずなのだが、俺が体を洗っている最中に乃愛が部屋に戻ってきた。そして流れるように服を脱いで露天風呂の方へとやってきたので、互いの体を洗い合って今に至るというわけだ。


「……………」


「……こら。ポヨポヨするなっ」


「悪い。つい」


 露天風呂にふたりで浸かりながらイチャイチャを楽しむ。後で皆に怒られるのは確定だし楽しもうと開き直っているわけだ。

 座っている俺を椅子のようにして乃愛が乗っかっているので、俺もここぞとばかりに乃愛のお腹や太ももを堪能する。普段なら恥ずかしがって触らせてくれないが今日は軽くデコピンをされるだけで済んでいる。


「もぉ…人が気にしてるとこばっかり……」


「俺は好きだけどなぁ…柔らかくて……抱き心地が良くて………最高」


「うわ変態………引くわぁ」


「……嫌か?」


「…………大好き」


 乃愛は安心しきったようで、俺に体を預けてだらけ始めた。なんだか少し眠そうだ。ここ最近色んな意味で忙しかったから仕方はない。


「風呂で寝たら危ないぞ」


「ぅん…………分かってるけど……しあわせだなぁって………」


「……それもそうだなぁ」


「…零央くんも…リラックス………しよ?」


「…………そうする」


 俺達はそのまま露天風呂で何をするわけでもなくゆっくりと時間が流れているのを感じることにした。しばらくすると大浴場を楽しんだ燈達が帰ってきて、俺達はふたりきりを楽しんだ罰として全員のマッサージをさせられることになったのだった。


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