マニック・マンデー 5
頬に当てられた手のひやりとした感触に、タクミのタクミはまた再び力を取り戻しつつあった。復唱でだいぶ、ふにゃんとなってはいたが。
(力が欲しいか、と内なるARMSが囁いてるッ!)
頬を撫でるように滑らされた手が、その指先がタクミのおとがいから首筋、そしてユニクロで買った長Tへと、つつつ、と歩んでいく。
「おど、踊り子さんには触れてはいけないのではうッ——」
指先はタクミの敏感な部分を通過して、いや、また舞い戻って上へと戻り、そこで渦を描いた。
「踊り子さんは、わたし。あなたは踊り子号」
「い……伊豆にイっちゃう……!」
身長差から、タクミの目線はずっとアムの胸元に釘付けだった。いや、顔を上げられずにいたのだ。
どんな表情で見下ろされているのかと思うと、……思うとますますタクミはふっくらしてきた。そして目の前の圧倒的な質量が「触ってけ〜、触ってけ〜」と
触らないともったないお化けが出る。そう確信したが、しかし触るとそこで終了だという。どんな拷問だ!
「こちらからはいくらでも触るし、息も吹きかけるし、なんならぺろってしちゃうこともあるかも」
「そ、そんな……」
指先は再び下を目指し滑り始める。
「でも、ダメ……」
ほとんど吐息のようなアムの声が、耳元で。
「あなたはわたしに触ってはいけないし、わたしを感じさせてもいけない」
「……そんな」
降りてきた指先は、へその辺りで立ち止まる。そのすぐ下のユニクロの感動パンツ(商品名)は、ふっくらというかすでにガチガチのタクミが自己主張をしていた。
「申せの、はち、それから、きゅう」
「よ、欲望でしたっけ?」
「欲望に忠実に、そして我慢しちゃダメ。わたし、タッキーが自分でするのは止めてないよ……」
タクミの頭の中が真っ白くなった。
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