マニック・マンデー 2

 すでにエイミィはハピホテアプリで検索も予約も済ませていたらしく、実にスムーズにホテルへインした。タクミはただ、連れられてきただけだ。

 渋谷は初めてではなかったが、センター街や井の頭通りをちょこっと散策するぐらいで円山町には入ったことがなかった。

 引き摺られてるのもあって、息を切らしながら道玄坂を上り、え? え⁉︎ と思っているうちに建物内へ。

 手慣れた感じでホテル内を突き進むエイミィの姿に、怖いという思いと頼りたいという気持がになるタクミだった。


 中身のたっぷり詰まったディーンアンドデルーカのトートをぽいとベッドに投げて、エイミィは上着を脱いだ。

 あ、え、と挙動不審になるタクミにウインク一閃、

「始めましょうか」

「え、何を?」

 ふふっと笑ってベルトを緩めながら、

「コ、ス、プ、レ」

 すたっと床にスラックスが落ちた。



 何着か持ってきたけど最初はやっぱりコレよね、とブラウスとショーツのみのエイミィがバッグを漁る。目のやり場に困ったタクミは、それでもTバックの食い込む臀部をちらちらと盗み見する。数枚の衣装が乱雑にベッドに放りだされ、出てきた白い衣装にエイミィが小さくガッチャ! と叫んだ。出てきたのはナース服だった。

 コスプレ用のミニスカナースではなく、しっかりと厚みのある生地に見えた。

 エイミィがストレッチパンツを穿きながら、とっとっとっとよろけると、あわててタクミは手を伸ばそうとしたが、メッとやんわり拒絶された。目が笑っている。

 スッと腰まで上げたとき、ブラウスの下からヘソが見えた。タクミは、ふう、と息を吐く。少し尻を突き出す感じだったので、後ろから見たかったとも思った。へそも捨てがたいが。

 ブラウスのボタンを外しながら、エイミィがこちらを見ていることにタクミは気づいた。あわてて後ろを向こうとしたが、またもやエイミィ、メッ、といって、

「見てていいよ」

「見てていい」

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