第94話 オッサン齢53歳にして相談される 2
「なんですか?その竜って付くとか付かないって」
錦が疑問を投げかける。
「私の能力って、竜か龍って付かないと使役出来ないんです」
錦が絶望して項垂れた。
「時間をかけて信頼を得るとか、何か別の対策考えるしかないんじゃないか?」
「ダメだ!時間がない!明日の検査で調べられたら全員殺される」
「仕方ないんじゃないっすか、その姿手に入れるのに、最低でも1人は殺してるはずっす。
殺された仲間にしてみれば、敵っすからね」
「そうだな、俺も千紗がマネンドになっていて、お前らに殺されていたってなったら、絶対許せないもんな」
「それは分かってるが言い訳させてくれ!俺たちは返り討ちにしただけで積極的に殺していない。
殺されそうになったなら抵抗するのは当たり前じゃないか?」
「…あんたは違うっすよね、何人も殺してるって言ってたっす」
「待ってくれ!言い訳させてくれ!俺がいたパーティは氾濫鎮圧を無視して、標茶の未確認ダンジョン入ろうとしてたんだ!
それで全滅して、そのパーティのメンバー全員に取り憑いて強化しただけなんだ!」
「なんでお前は生き残れたんすか?」
「元々、相手のモンスターに取り憑いてたんだ。
ホワイトファングっていう狼のモンスターで、1体の強さはそうでもないが数が多い個体でその中に俺たちは紛れ込んでいたんだ。
狼が移動した後にそこに居た全員に取り憑いたから何人もに取り憑けただけなんだ!
「辻褄はあってるっすね」
笹かまはそう言いながら、スマホをずっと弄ってる。
「何を調べてるんだ?」
「錦野龍馬のパーティ記録っす。
名前はどうやってその名前にしたんすか?」
「偶然俺のネームドに似てるメンバーがいて、そいつになりすます事にした」
「めっちゃ単純だったっす…何か裏で糸引いてるのいるのか思ってめっちゃ調べてたっす…」
「どっちにしろ竜付かない問題あるから、テイム出来ないよなぁ」
「あのーそれなんですけど、もしかしたらって方法を思いついたんですけど」
村重が手を挙げる。
「ん?どんな方法?」
「コピーするって事だったんですけど、それってそんなに完璧にコピーしてるなら、種族名もコピー出来てるんじゃ無いかなって。
だって、調べるのに血が出るか調べないと分からないんでしょ?」
「あー!確かにそうっすね!レベルの高い鑑定士やアプリでモンスターって出ないから、血までは誤魔化せないから血液取るんすよ!」
「そこで、ジャーン!モグラさんに仲間の死体探して持ってきて貰いました!」
「えっと、俺がコレに取り憑けと?」
村重さんがコクコクと頷く。
「やるのは良いけど、いきなり踏みつぶすとかやめてくれよ」
「大丈夫っす安心してくれっす」
笹かまが満面の笑みでそう言った。
ヘラヘラしてない笑い顔の笹かまの信用の無さったらないな。
「分かった」
笹かまをよく知らない相手にはこっちの方が信用あるように見えるよな。
見ている間に錦がモグラに変わった。
サイズが全然違うが、これの質量とかはどうしてるんだろうか?
「あ!使役出来ました!」
村重さんのチートスキルっぷりに上限ないな。
もう何でもありやん!
エセ関西人になってツッコミいれたくなる。
錦が人間形態に戻った。
「どう?この状態ででもテイムしてるの?」
「なんか、1回使役しちゃえば名前変わっても大丈夫みたいです」
「とんでもないチートだな、一瞬でもいいから相手をモグラにしてしまえばテイム出来てしまうぞ」
「これ、黙ってたほうが良いっすね、それと錦も人間のままは辞めた方が良いっす。
絶対トラブルになるっす」
「分かった、そうだな…今簡単に手に入る死体はカラスだな、全員一旦カラスになって随時可能な限り強いモンスターになり変わっていくようにする」
「際限なく強くなれるのか?」
「それは無理だな、自分より弱い方はいくらでもいけるが、強い方はわずかしか強くなれない。
強さが加算されるわけでは無いから、弱いのを沢山取り込んでも強くなれないしな」
「そんなに都合良くないのか」
「一応取り込めるが、ハリボテみたいなものだな、人間だと知識という武器があるからモンスターを取り込むより強くなりやすいな」
「後々問題にならないように篠塚さんに報告してくるっす。
結局何体こっち側になるんすか?」
「俺を含めて16人だな、部下が15名だ」
「分かったっす、ちょっと言ってくるっす」
翌日検査が行われた。
何と36体ものマッドクリエイターが紛れ込んでいた事が判明した。
全て殺処分したと全員に通達されたが、一部の人間は処分されたのは20体という事実を押し黙る事になる。
【後書き】
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