第52話 オッサン齢53歳にしてドラゴンスレイヤーになる。

 …あれ?ダンジョンんじゃ…無い?


「あ、剣崎さん起きたんですか?

 もう、少しダイエットしてくださいよ!

 めちゃくちゃ重かったんですから!」


「あ、うん、ごめん…ていうか、あの場所に居たの?」


「当たり前じゃ無いですか!

 鉄也さんの邪魔にならないように距離は空けてましたけど、あのまま私だけ逃げるなんて絶対しませんよ」

 なんていい娘なんだろ。


 あそこで気絶した時に流石に食われるって覚悟したんだけど、千紗が助けてくれたんだな。


「ちなみに笹かまはどこにいたんだ?」

 受付でデスクワークしてる笹かまに聞いてみた。


「もちろん剣崎さん見捨てるわけないじゃ無いっすか!

 安全地帯まで逃げこんだ後、しっかり見張ってたっすよ!」

 笹かまよ、世の中ではそれは見捨てて逃げたって言うと思うぞ。


 いや、まぁ、逃げろって言ったのは俺だから、そこに文句は言えないんだけど。


「それより、単独でドラゴン倒したんすから称号ついてないっすか?

 レッサーじゃ付かないらしいっすけど、エンシェントレッサーならいける気がするんすよ」

 笹かまに言われてアプリを確認してみた。


 剣崎鉄也 レベル34

 クラス 堪忍者

 クラス解説 ▽


 強さ 36 物理的攻撃力

 器用 37 命中率

 素早さ 22 回避率、移動速度

 知性  26 魔法的攻撃力

 耐久力158 物理防御

 賢さ 75 魔法防御

 HP 1580

 MP 750

 称号 ドラゴンスレイヤー


 パーソナルスキル 堪忍

         HP50%以下の時に発動、戦闘中敵に攻撃が命中した時にHPを16回復


         ならぬが堪忍するが堪忍

         堪忍出来ない敵を堪忍して仲間にする


         堪忍袋

         緒が切れると、怒りが爆発する


         ( )

         ブロックと同時にシールドバッシュを行う


 盾術 ブロック 相手の攻撃を受け止める

   シールドバッシュ 盾で相手を攻撃する


 挑発術 ウォークライ 叫び声で相手を挑発する


 鑑定


 能力上昇値 5レベル毎 強さ5 器用5 素早さ3 知性4 耐久力23 賢さ10


 称号つてるな…それよりも何だこの( )は?


「なぁ、笹かまこれって何だ?」


「あー、オリジナルスキル生えたんっすね。

 アプリが認識してないスキル生えるとこうなるんすよ。

 その空白に名前入れるとスキル名として認識されて表示されるっすよ」


「何でもいいのか?」


「何でもいいっす」


「俺のこの手が真っ赤に光る!お前を倒せと轟き叫ぶ!

 とかでもいいのか?」


「良いっすけど、そのスキルをオッサンが使ってるの想像して欲しいっす。

 なんなら慣れるまでスキル名叫ばないとならないっすよ?」

 …

 …

 …

「…うん、無難なのにする」


「それが良いっす」


「ロザリオ付けてるしなぁ、メダイストライクとかにしておくよ。

 縦で最初に受けて、フック気味に横打ちするから、十字架みたいになるんだよね」

 3分しか戦えない巨大ヒーローの必殺光線みたいな格好をして見せる。


「あー良いんじゃ無いっすか、っていうかどうでも良いっす」


「どうでもって酷いな」


「剣崎さん個人のオリジナルスキルっすからね、マジどうでも良いっすよ。

 そんな事より称号っすよ!そっちが大事っす」


「そんな事…そんな事って…」


「オッサンが拗ねても気持ち悪いだけっすよ。

 それより、スレイヤー系の称号って各種族に特攻付くんすけど、ドラゴンはかなり美味しいんすよ!

 亜種のワイバーン種と眷属らしいリザードマン種にも特攻つくっす。

 特に予想っすけど61階から沼地になるはずっす。

 最低でもリザードマンとそれの強化版みたいなドラゴニアンが出てくるんで、特攻美味しいっすよ!」


「なぁ、明日からなんだが、ボス狩りした後はドラゴンになれるために俺たちだけでドラゴンの階層を周回しようと思うんだがどうだろう?」


「あー良いんじゃないっすか、スレイヤーの称号って本人ほどじゃ無いけどパーティにも効果及ぶんで、多分楽に狩れるっすよ」


「あ、そうなんだ、じゃあ明日からは、午前1回午後1回ボス行って残りの時間は自由行動で良いかな?」


「了解っす」


「千紗は悪いけど俺と一緒にドラゴン行ってもらっていい?」


「うん、もちろん!」

 とりあえず明日からの予定が決まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る