第28話 花菜ちゃんちで鍋パーティー

 花菜ちゃんから諒くんとの付き合いを聞いた

何ヶ月後かに、花菜ちゃんの家で、諒くんと3人で鍋パーティーをした。


花菜ちゃんは、自分ちということもあってか、割りと飲んで、酔いつぶれて寝てしまった。

私は、諒くんと2人で飲み続けていた。


「ね~諒くん!

花菜ちゃんと付き合う きっかけって、ジムでいきなりキスしたんだって?」

と聞いてみた。

「えっ!!わぁーーーー!!マジか!!

それ、茜ちゃんに喋ったの!?

マジで、ハズいんだけど~」

と、左手で顔を隠し下を向いた。


「やるね!!」


「いやいやいや!!やるね!じゃないよ!!

マズイって!!

インストラクターがジムで会員さんに手出したなんて、クビレベルだよ!!

わかってたんだけど、なんか、気持ち抑えられなかった」


「いつから、花菜ちゃんのこと好きだったの?」


「あっ、これ、まだ花菜にも話したことないんだけど、実は、俺、花菜と大学一緒なんだよね。

俺の方が1個下だし、学部も違うから、俺の存在全く知らないと思うんだけど。

学食でよく見かけた人だった。

でも、名前も知らない人だったんだ。

ある時、区役所でフードドライブあるって、俺 超貧乏学生だったから、友達と行ったんだ。

そしたら、彼女がボランティア活動でそこにいて、笑顔が天使みたいだった。

かなちゃん!って、呼ばれてて、かなちゃんって名前なのか~って、初めて知って。

その後 彼女、大学を卒業して、それから会うこともなかった。

1年後 俺スポーツジムに就職して、希望してた店舗とは違うとこでやってたんだけど、○○店にインストラクターの欠員出たから、そっちへ異動って言われてさ。

行ってみたら、花菜がいて。

すげー運命だって思っちゃったんだよね!!

って、結構キモいでしょ?こんな話。

ひくかな~って、花菜に言えないでいるんだけど」


「引かないよ!!ってゆうか、素敵すぎ!!

少女マンガじゃん!!」


「あはははは!

少女マンガは、読んだことないからわかんないんだけど、そうゆう感じなの?

インストラクター突然キスするみたいな?

あはははは~~!」


「インストラクター突然キスするは、ないけどさ!運命的じゃん!!」


「茜ちゃん、とりあえず、この話、花菜には内緒ね!!ハズいから」


「了解!」



私が、諒くんに気持ちを伝えることは、絶対にないだろう。

花菜ちゃんに、気持ちを伝えることも、絶対にないだろう。

諦めるしかないのだろう。




あの時の私は、そう思っていた。

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