1話 逃げ続ける

気分最悪の中、何とか扉に到着した。


「つい、たね..」


「そうだな。」


「結構思ったよりも扉小さいね」


「そうだな」


「さっきから「そうだな」しか言わないじゃん!!!

ていうか、結構危なそうだね。これ。」


扉の周りには色々テープとか張り巡らされていて、明らかに町はこの扉を危険視しているみたいだ。


まぁそれも仕方がない、最近になって知ったが、この扉に近づいた者の何人かが行方不明になっていたらしい。


「ふぅー。で、どうするんだ██。諦めるか??」


「ううん。嫌だね、諦めない。」


夏の夜の風は何故にあんな湿気強くて、生ぬるくて、気持ち悪いものなのだろうか。でもそんなの関係ないくらい俺は今、こんなにも、体が熱くて仕方ない!!!!


ーーーーーー ーーーーーー


俺は逃げた。


さっきまで高鳴っていた胸は焦りと後悔の心拍数に変わり、息も忘れるぐらいに夢中で走った。


あの、あの後はどうなったんだっけ?


頭に酸素が回らない。考えられない...


そうだ、██が扉を開けて、それで、黒いなにかに覆われて、吸い込まれて、、


「う゛ぅッ....お゛ぇぇぇ」


気持ち悪い...気持ち悪い。目の前が黒くて何も見えない、考えられない。



「おい、開けても何もないとかなってもガッカリ

すんなよぉー」


「わかってるって!....涼くん...行くよ!」


ーーーーーーー ーーーーー

ーーーーーー ーーーーー

ーーーー ーーーーーーー


「きゃぁああああああああああああああ」


「っ!!!!!どうした?!?!おい!!██!!!██!!返事をしろ██!!!」



「涼...君。う゛ぅうぅぅ。痛い。頭..ガッ。

ハァッハァ。ヤバイ..かも。たすk........逃げて!!!!!!

いつか、迎えにきっ」




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君と生きた世界は扉の先に @huru0502

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