君と生きた世界は扉の先に
@huru0502
第0話 扉の始まり
「ねぇ、この扉の先何があるのかな」
そう言って君はもう二度と帰ってくることはなかった。君の瞳だけが今も僕の脳裏にしっかりと焼き付いている。
少し早めの成人式を終えた俺は、簡単に挨拶を済ませ何がある訳でもないのに足早に帰路に着いた。
みんなは20歳に成人式を行うらしいけど俺は早く大人になりたかったら終わらせた。
大人になれば学生の頃なんてただの思い出になる。
俺には1つ上の幼馴染がいた。
好奇心旺盛で昔からなんでも挑戦してしまう君はとても強くてかっこいい俺の憧れだった。
だからだろうか。
君に危険が迫っていることをわかっていながら君なら大丈夫だとそう思った、
思ってしまったんだ。
3年前、ここ北原町に突如として縦3m横1.5mの微妙に大きい扉が現れた。
皆口々に呪いやら幸運やら好き勝手言って楽しんでいた。
それは僕らも例外ではなく、君はとてつもなく扉に惹かれてしまっていた。
「ねぇ、ねぇ!涼くん聞いてる?だから、扉の話だって!!国で保管するらしいよ....NA○Aも動くらしい...絶対に宇宙人の仕業だよ!!!」
「へー。ソースは?」
「ティックト○ク!!!」
「くだらん」
「えーーー!!!!!!君興味無さすぎでしょ!!ほらおばさんも言ってたでしょ?涼くんは挑戦しなさすぎだって!!ファミレスもいつもガ○トだし」
「いやガ○トだけは譲れん。」
「なに?そのこだわりwwwえーでもすごいワクワクしない???突如現れた扉だよ?そうだ!!!!この後見に行こう?どうせ暇でしょ??」
「いや、そこたち入り禁止だから。何言っt......」
(こやつ、マジで行く時の顔してる...断ったら絶対面倒....)
「....見に行くだけ、なら。ほんの少しだけだからな....!!!」
「おす、涼くん長!!!!!」
君はそういって敬礼すると満足気に店を出た。お金は当たり前のように俺に払わさせやがる
「そろそろ着きそうー!!」
結局俺は絆され扉付近までやってきてしまった。
「はぁっはぁ、はぁ......」
(山を登ったからか??息切れが.....)
「...!!!!涼くん大丈夫。顔酷いよ?休む?」
(あれ 俺そんな体弱かったっけ)
ふと、自分を心配する声の方に顔を向けた。
「!!!!!!!!!!!!!!」
(黒いモヤが全体に広がっている....下を向きながら歩いてたから気づかなかった。。こんなに広くて濃いモヤは初めてだ.....)
「涼..くん?もしかしてオーラ..とか?」
俺はゆっくりと焦りを落ち着かせながら頷いた。
オーラ。俺はそう呼んでいる。物心ついた時から俺は人、物、場所全てにオーラが見えるようになっていた。色や大きさなどがそれぞれ違っていてオーラを見ることで人の性格とかどんな物、場所かとかがある程度分かる。
(だから俺にはわかる。ここは危険すぎる。危険じゃないとしても何かがある。そこに触れてはいけない。なんだかそんな気がする。)
「俺の勘はいつも当たる。ここはダメだ。危険すぎる。」
いつもの彼女だったらここで諦めていた。でもこの日は、少し運が悪かったみたいだ。
「ねぇ涼くん。危険ってどんなことかな。死んじゃったり怪我したり、それとも呪われちゃったり?それは行ってみなきゃ分からない。何も知らないままで私は終わらせたくない。ゲームは私、完全攻略派なの。」
(すげぇ綺麗。君は本当にすごいなぁ、きっと俺が止めたところで君がかけたアクセルは止まってくれない。それなら......)
「.....君が選んだ道、最後まで見守ってやる。」
「なにそれ。プロポーズ?」
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