子守唄 Twitter小説
生まれて間もない赤子を抱いて、父が子守歌を唄っていた。
「季節は雪に別れを告げて
芽吹きの春へやってきた
土筆は土に別れを告げて
空のもとへやってきた
燕は島に別れを告げて
私の里へやってきた
花はつぼみに別れを告げて
光のもとへやってきた」
春の灯に包まれ眠る赤子とあやす父の情景はさながら夢のようであった。
「赤子は母に別れを告げて
父の腕へやってきた」
それをきいて、隣で裁縫をしていた赤子の母は、ひとつくしゃみをした。
「なにそれ、ひどい替え歌」
「本当にこういう歌詞なの。知らなかった?」
父はしれっと返して、また春を唄い出した。
(作中の子守歌は創作です)
※夜海ルネ様の「出会いと別れ短編集」企画用に書いたものです。
夜海ルネ様のカクヨム↓
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます