第23話 この初めてのデートに終焉を!4

月明かりに照らされた、誰もが寝静まった時間。夜の闇の中でも、月の光に照らされた彼女の顔ははっきりと見えるだろう。しかし、俺は直接彼女を…めぐみんの方を見ることはできなかった。それどころか背中を向けていた。なぜなら、めぐみんが俺の隣で寝転がりながら、すごい発言を投下したからだ。

え…いやまて、ちょっと待て。いやいやいやいや。おかしいから。え、はっ、えっちょっ待て。落ち着け、落ち着くんだ俺。まだ焦るときじゃない。そう、クールに俺はクールな男だ。そう、よく考えるんだ。めぐみんとはもともと、かなりの親交度だったじゃないか。そう、よく考えてみろ、エロゲならもう、こういう関係になっていても何ら不思議じゃない。……って違ああう。そう、そういう問題じゃないのだ。ほら

思い出しても見ろ。昼間めぐみんはそういうことをして取られるのが嫌だから真剣勝負をしようと言っていたじゃないか。そう、落ち着け。落ち着くんだ。つまりめぐみんはそういうことをしたいんじゃないということか。えっ。ちょおっとおかしいぞ。この時間にベッドの上で、男女二人でやる凄いこと、って他にあるか?

俺のそんな葛藤はよそに隣にいためぐみんはそっと身を寄せ、俺の背中に抱き着いてきた。

いや、これ絶対誘ってるやつじゃん。こんなん誘ってる確定ですやん。あれ、昼間のやつなんだったの?………はっ、こいつまさか始めからそのつもりで!?そういやこいつは、普段の行動からは知性の欠片も感じられないから忘れてたけど、知力はいいはずだ。痛い!んだか抱きしめる力が強くなった気がする。失礼なことを考えたからなのか?!こいつ心でも読めるの?畜生俺も今心が読めればよかったな。あれ、なんだか話が明後日の方の飛んでないか。…そうだ。なぜこんな事になっているんかが大事だったんだ。いや、めぐみんとそうゆう関係になる事が嫌なわけでも、そういうことすることが嫌なわけでもないんだが。昼間に好きかわからないとか言っておきながら、そんなことをするのは流石にクズ過ぎやしませんかね。流石に罪悪感が凄いよ。いま、かつてないほど心が痛むよ。

「いいですよ。どんなことでも、私が受け止めてあげますから。」

よし、もう何も考えないようにしよう。

俺はめぐみんの方に向き直ると、今度はその小さな身体をそっと抱きしめる。そんな俺の行動に、始めは多少驚いたようだが、すぐにめぐみんも俺を抱き返してきた。めぐみんが俺の胸に顔を埋める。熱い息が胸元から首筋にかけてを這い寄っている。たったそれだけの事で、すごくドキドキする。めぐみんのまだ微かに湿った、綺麗な黒髪にそっと手櫛をいれる。めぐみんも同じように俺の髪を触り、後頭部を撫でるように手を添える。一度身体を離し、今度は俺がめぐみんを押し倒す形になる。体重をかけないようにそっと上に乗ると、そのままの体制でそのまま抱き合う。今度は頭の位置が同じなわけだから、めぐみんの口元に俺の耳があるということになる。しばらく抱き合っているとめぐみんはそっと身体を離しながら、耳元で俺に囁いた。

「いいですよ。あなたの好きにして………」

そうして完全に離れたあとに、いたずらっぽく笑うと、

「その代わり、ちゃんと責任取ってくださいね。」

そんなこと言われたら、もういよいよ限界です。

俺はめぐみんの頬の手を添える。めぐみんはその手に自分の手を重ねながら、安心したかのようにほうっと息を吐く。俺はその唇にそっと顔を近づけた。めぐみんも何をする気かわかったのだろう。そっと目を閉じる。前はここで、俺が何もしなかったわけなのだが、今回は違う。俺たちはそのまま唇を重ねた。

…お互いの、舌が絡み合い、頭がぼ〜っとする。そのまましばらく続けたあと、ようやく口を離す。めぐみんはとろけたような顔をしながら俺の方を見ていた。

えっと。これから何すればいいんだ?ええい、とりあえず胸だ!

俺はめぐみんのそのパジャマのボタンにそっと手をかける。めぐみんは少し身を強張らせたが、直ぐに身体の力を抜き、観念したかのように身を預けてくる。ボタンをすべて外すと、そこには決して大きとはいえない、黒のブラジャーに守られた胸があらわになった。するとめぐみんは今度は自分から俺に抱きつきながら、キスをした。先ほどよりもめぐみんの胸の感触がしっかりと伝わってくる。前のやつより、短い間のキスを終えると俺はめぐみんに問いかける。

「本当にいいんだな。」

俺のその言葉に、めぐみんはほんのりと紅くなっていた顔で、こっちを見る。その後、瞳をかつてないほど真紅に染めながら、意を決したようにうなずきながら

「はい、大丈夫です。覚悟はできてます。」

急に改まった口調になったあたり、めぐみんも緊張しているんだろう。まあ、俺のすんごい緊張しているんだけどね。彼女の顔を見るだけでも、ドキドキと心臓がなる。胸の奥で今まで感じたことのない感情が渦巻くのが分かる。

お父さん、お母さん。俺、異世界でついに大人になります!今まで散々な目にあってきたけど、この世界に来てよかった!!

そうして、彼女の黒のブラジャーの金具に手を掛けると………

ガチャッ。

「お兄様!今日も冒険譚を聞きに来ました!昼間に色々あったせいで遅く…なってし……まいま…した……が………」

「「…あっ…」」

ほーらこんなもん。

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