第21話 この初めてのデートに終焉を!3

「いやあ〜。得したな〜。」


そんな独り言をつぶやきながら、上機嫌で寝室へと続く道を歩く俺。


いやあ〜本当に得した。流石は最先端の人たちが集まる王城というわけだ。俺の欲しかったスキルの大半は手に入れられた。あとは、アクセルに帰って、姿をくらませる光屈折魔法とかを、ウィズに教えてもらうだけだ。バニルによると、魔法を行使した犯罪行為は通常よりはるかに重い刑罰が課せられるらしいが、俺はそんなことをしない。やるとしても、ダクネスが風呂に入っているところを後ろから覗き見るくらいだ。これは除きではない。パーティーメンバーの体格を詳しく知ることは大切なことなのだ。だからこれは決してやましい気持ちなんてない。アクアのはどうか?だって?あいつは……………そう。前衛じゃないしあんまり関係ないから大丈夫だ。大事なことだからもう一度言うが、決してやましい気持ちなんてない。


「なんで、鼻の下伸ばして歩いているんですか?」


曲がり角のところからちょうど声をかけてきたのはパジャマ姿のめぐみんだった。


「べ、別にやましいことなんて考えてないし!」

「……考えてたんですね。」

「そそそそんなわけないだろう。めぐみん俺を疑いすぎだ……すいません。考えてました。」


あまりの気迫とその冷ややか視線に直ぐに手のひらドリルを開始する俺。


「はあ、もう良いですよ。」


どうにか許しが出た。

俺がホッと息を吐くと、


「それで、どんなスキルを取ったんですか?」

「前にも言ったが、それは後でのお楽しみだ。明日にはわかるだろうから、楽しみに待っとくんだな。」


ちょっとした意地悪を兼ねてそういう。

まあ、別段隠す意味もないわけなのでここで言っても良いのだが…それはまあ。そういうことだ。なんか、楽しみとして取っておくほうが面白そうだから仕方がない。

ふーんと気のない返事をしためぐみんが、俺の隣を歩き出す。

その髪の毛がしっとりと濡れていることから、風呂から上がったばかりだとわかる。


「なんだ?風呂上がりなのか?だとしたら随分長風呂だったな。」

「ええ。危うくのぼせるところでしたよ。」


よく見ると、その顔はほんのりと赤くなっている。


「まあ、風呂に入ってると気持ちがいいのはわかるが気をつけろよ。特にお前は。」

「?それは心配してくれているんですか?というか、どうして私は特になのですか?」


不思議そうに訪ねてくるめぐみん。俺は何いってんだって感じの表情で


「あのな。のぼせるっているのは、温かくなって血管が広がって血圧が下がって、脳に血が回らなくなるから起きるんだ。そして、頭のおかしいお前の沸騰しやすい頭じゃあすぐにのぼせちまうだろ。あと、気持ちよくてうっかり爆裂魔法が出るかもしれないし……」

「ほほう。それは私が短気だと言っているんですね。良いでしょう。その喧嘩買おうじゃないか!というか、気持ちよくてもうっかり爆裂魔法が出ることなんてありませんよ!私のこと普段どう思っていればそんな妄想ができるんですか?」

「お前のことをどう思ってるかってそりゃあ……」


少し考えた後


「爆裂魔法しか脳にない、短気な頭のおかしい爆裂狂?」

「この男!昼間っからあれだけのことをしたというのにそんな事言うんですか!?」

「お、おい。やめろ。その言い方は語弊がある。あれだけというほどのことはしてないだろ!」


慌てて訂正に入る俺。

これ以上、ここのメイドさんたちからの評価を下げるわけには………


「何を言うんですか!さんざん私のことをたぶらかしておいて、一線だって越えかけたというのに、他の女の人に目移りして、私を捨てようとした癖に!」

「おい待てやめろ!そもそも俺はたぶらかしてもないし捨てようとした覚えもない!」

「他の女に目移りしたことは否定しないんですね!とんだクズですよ!」

「おい、本当にやめろ。ここのメイドさんたちからの評価がどんどん下がっていくだろ。おい、お前何笑ってんだよ。」


にやにやとしためぐみんはこう言い放った。


「浮気性なカズマにはメイドの人たちから嫌われて当然です。今度私たち以外の人にそういう目を使ったら、もっとすごい噂を流しますからね。」

「お前、最初からこういう魂胆だったのか」

「ええ、もちろん。」


本当に油断できないロリっ子だ。こいつは今ここでで爆裂魔法禁止令を出す必要があるのかもしれない。本当に頭にきた。これだからこいつは……

ジリジリとにじり寄ってくる俺を見ためぐみんはそれでも余裕そうな表情で、


「おっと、それ以上近づいてなにかするつもりなら、私にも考えがありますよ。この国中にロリマの名を知らしめてくれます。」

「やめろ。本当にやめろ。お前も自爆特攻すんなよ。」


勝ち誇っためぐみんは見ていて凄くいらっときた。今回ばかりは完敗だと認めざる終えないだろう。そこで、勝ち誇り、必死に胸を張るめぐみんをちらっと見る。その必死に張っている胸部を見て俺は不思議そうにこちらを見始めためぐみんに対して…


「フッ」

「ああ〜!!」


鼻で笑った。しっかし、こいつの胸はいつになったらまともに生長するのだろうか。出会った頃に比べれば多少違うが、あくまで多少だ。


「おい、今私の胸を見てなんで鼻で笑ったか聞かせてもらおうか!」

「そのボリュームの足りない胸に聞いてみれば良いんじゃないですか?」

「カズマもあの酔っぱらいチンピラどもの二の舞いになりたいみたいですね。あの二人には咄嗟に手元にあった生ジャガイモを口にぶち込みましたが…」

「おいおい、俺をダストと同列に扱う……おい、今なんてった。猛毒を持つこの世界のジャガイモをどうしたって?」

「平気ですよ。3時間くらい立ってアクアが蘇生したはずですから。そのあと、飲み代をたかられていましたけど。」


今度あいつらには酒でも奢ってやるとしよう。

そこでようやく寝室の前に着いた。俺はドアを開け中に入ろうとすると…


「……あの〜めぐみんさん?ここ俺の部屋なんですが?」

「ええ、知ってますよ。今日は一緒に寝ようかとおもいまして。」


えっ?

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