第9話 後片付け
あの竜との戦いから約二日が経った。
あの後はとても大変だった。
アルチュールの細かいが沢山ある切り傷を魔法で癒して家に連れて行ったり。倒した竜を解体して時空魔法を使って家に運び、一部の肉を山を越して村におすそ分けしたり。
自分でも、よく頑張ったと思う。
しかし、まだやらなければいけないことがある。そう、アルチュールへのお話だ。
先程作った昼御飯をお盆にのせて手に持ち、寝室へ向かう。
彼は寝室に無理矢理寝かせておいた。魔法で癒したとはいえ、失った血は戻らないし、体力を使い切り筋肉痛で全身を痛めているからだ。
コンコン。
「アルチュール、入る」
「おお、なんだ」
「昼御飯、一応消化のいい物にしておいた。ゆっくり噛んで食べて」
彼に念入りに注意する。こうでもしないと彼はちゃんとしないだろう。自分のことを年取ったとか言っているのに、だ。
「頂きます!」
彼はすごい勢いで食べる。ゆっくり噛んでと言ったのだが。……心なしかいつもより遅い気がしないでもない。まぁ、こうもいい食べっぷりだと、作った甲斐がある。
「はぁ……」
彼が食べ終わるのを待つ。
「いわむはたけないのは?」
食べながらで意味不明な言葉を放っている。……リアムは食べないのか?、か。
「アルチュールは食べるのが早いから先に味見の時食べておいた」
「ほうか」
彼は最後の一口を運び食べ終わった。
「ご馳走様!」
ほら、すぐに食べ終わっただろう。
「リアム、あの事について話すつもりなんだろうが、嫌なら話さなくていいぞ」
「いや、別に。このことについてはちゃんと話しておきたい」
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