第2話

「また子供のヤギがやられた!」

庭にある家畜小屋から飛び出して来た妻が叫んだ。

「何、またヤマネコの仕業か。」

夫が言った。


ガブッ。

「キーツ!」

ヤマネコの牙がリスにかみついた。

リスは絶命し、食われた。

このように相変わらずこのヤマネコはこの森林の中で獲った獲物しか食わなかった。

だからヤギの子供を獲ったというのは全くの濡れ衣。

ガシャン!

地面に埋めてあった鉄の罠に足を挟まれた。

「ワオっ」

ヤマネコは飛び上がった。

その罠には短い鎖が結びつけてあって切った短い丸太に結んであって地に埋まっていた。

無論あの人間が仕掛けたものだ。

ガリガリ。

ヤマネコは一生懸命鉄罠にかみついたりひっかいたりした。

もちろんびくともしなかった。

地面に埋まっている短い丸太を掘り出し、そのまま引きずって歩いて行った。

ヤマネコは挟まれていない方の前足で罠を押さえ、反対側の端をぎゅっと噛んだ。

すると罠が開いた。

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