理解できない 神奈川県庁の世界③
霧野 ぬん
第1話 神奈川県庁東庁舎カフェ・レストランとは。
神奈川新聞によると「神奈川県は23日、空き状態が続く県庁東庁舎(横浜市中区日本大通)12階のレストランスペースについて、店舗運営事業者を再募集すると発表した。候補事業者の辞退が相次ぐなどして、今回が4度目の募集。年額賃料をさらに引き下げるなど、間口を広げて入札を募る。」と発表とのこと。
この建物、2021年にできたばかりの県庁の中で一番きれいな建物です。
でも、何しろ敷地が狭い。
だから、働く人にとっては・・・。
朝8時15分ぐらいから8時30分までの間、4基のエレベーターに乗るために、職員の行列が外の歩道まで並ぶのです。
朝、あと10分で勤務時間が始まるってときに30人近く並んでいるのは辛い。
ひどいのは、朝だけでなく昼休みです。
12時になると、11階(一つ県関係事務所が入っています。)から2階までの人がどおーっと異動するのです。
エレベーターは、フル回転。
満杯の上に、各階止まり。
まあ、2、3階の職員は普通歩いておりますが、その上の階ぐらいからはほとんどエレベーターを使います。
やっとそのラッシュが終わると、今度は20分ぐらい経って昼休みが終わるころ、今度は上の上がる人の集団が朝同様の超混み状態となります。
何しろ、この庁舎には1,000人も働いているんです。
およそ2階から10階までが執務室なので、ワンフロアに111人という過密状態の職場です。
立つと後ろの人に椅子がぶつかり、「すみません。すみません。」と言うような感じです。
そして、その細い道の間を通って、各課に1つしかない印刷機にパソコンから出したものを1日何回も行ったり来たり取りに行くのです。
こんな執務室ですから、先日、蒸し暑い執務室で仕事をしていた若手職員は気分が悪くなり、倒れたそうです。
ひどい仕事環境。
一つのフロアの造りは、15人もいたら密集状態になるような超狭いエレベーターホールとワンフロア111人のギツギツの執務室、そして、幅がほんの2、3メートルの廊下、あとくるくる回った階段かな、でなっています。(もちろんとお手洗いと給湯室はあります。)
でも、狭いのでエレベーターホール、廊下、執務室のドアはすべて開けてあります。(もちろんカギがかけられるドアはちゃんとついていますけど。)
まあ、税金をいただいて働いている身ですから、多少、仕事環境は悪くてもしょうがないですよね。
今時期の県庁は、汗をだらだらかいても、息苦しくなっても、とーぜんまだ冷房は入っていません。
さて、話は元に戻って、このような建物の12階に県民に利用していただく「素敵なレストラン」ができるのでしょうか?
まあ、たぶん眺望は良いでしょう。
左側から、みなとみらいのビル群、目の下は、象の鼻広場、大さん橋、シルクセンター。
でも、そこで、考えなければならないのが混雑エレベーター。
職員だけでも、上に書いた通りのひどい状態。
そこに県民の人が一緒に乗って、気軽にレストランに行くことができるのでしょうか?
朝の出勤時間は、まだいいでしょう、レストランも開店しないでしょうから。
でも、上に書いた通りランチの時間はどうなるのでしょうか?
職員の大移動と重なってしまいます。
一応、12階に入るレストランは、「高級な雰囲気にしてほしい。」と話しているトップの話を聞いています。
その高級なレストランに行くのに、仕事姿の名札を付けた汗くさい職員の集団に囲まれて行くのでしょうか?
それとも、4つのうちの1つのレストラン専用にするのでしょうか?
そうすれば、3つしか使えなくなった職員エレベーターは、よりラッシュ状態になるでしょう。
一体どうする予定なのでしょうか?
もう一つの問題!
レストラン利用の人は、12階だけの利用にしないと難しい。
役所ですから、執務室には、当然だけど重要な書類がたくさんあります。
現在、エレベーター、廊下、執務室のドアはすべて開けている狭い東庁舎でどういう仕組みにするのでしょうか?
新庁舎に食堂があった頃は、一般の方が入っても全く問題はなかったのです。
それは、新庁舎は広いので、エレベーターが6つあります。
だから、職員が朝、外まで並んだことも見たことない。
運搬用エレベーターも見えない陰にちゃんとありました。
また、執務室も廊下の両側にあり、執務中は通常、ドアを閉めています。
が、今の東庁舎はどうなっているのでしょうか。。。(ドアは開けっ放しです。)
さて、エレベーターの話ですが、実は、東庁舎にもエレベーターはもう一つあるのです。
文書の配達や大きな荷物の搬入用のエレベーターです。
レストランとしてはいった企業は、このエレベーターで食材を運ぶのでしょうか?
野菜とか肉とか、生ものを運ぶのってどうなのって感じ、床は汚れるし、それに、食材もちょっと衛生的にどうなのって感じです。
それとも、レトルトとか、外で作ってきたものを温めるだけとか。。。なのでしょうか?
このレストラン話が出るたびに、ぬんの想像は広がります。
でも、まじめに考えると、いくら賃料が安くなったとはいえ、レストランに入る企業さんも考えてしまうでしょうね。
だって、上にレストランを作ることを深く考えて作った建物ではないような。
食材搬入口とか、水回りとか、調理用機器とか、駐車場とかどう考えているのでしょう?
見晴らしが良いというだけで、お客さんは来ないのでは?
あ、その前に。入ってくれる企業さんがいるかどうかですよね。
や、もしや、ぬんが知らないだけで、この東庁舎には実はすごいレストラン用仕掛けがあるのかも!なーんて。
いずれにしても、トップはやる気満々ですが、県職員にとっては今の悲惨な住み心地状態がこれ以上、ひどくなるのが目に見えてるからどーでもいいことなんですよね。
12階のレストランのことは話題に乗ったことすらありません。
特に、他の庁舎の職員ははっきり言ってどうでもいい話題なんですよ。
1階のSブンイレブンは、ぬんも時々利用してますけどね。
今日は、これで終わり。
理解できない 神奈川県庁の世界③ 霧野 ぬん @kiri-nun
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