第3話暗闇の女

「バカヤロー。そこにお前が住んでるのは知っているぞー」

高層ビルのマンションに向かって叫んでいる女性。

すれ違った男が

「酔っ払い」

と、呟いて行く。

「ふん、男なんか。好きだよ。旦那とわかれなよって。

君のことを1番に考えているのは僕だよって。

耳元で囁いたのは誰よ…。」

旦那と別れて自由になったのに、まだ家にも入れて貰えないどころか、部屋番号も知らない。本当にそこにすんでいるの?

平日は仕事が忙しいと会えない。それでも最初は日曜日はあってくれたのに。、今はもう。

仕事の朝はは早いからって、あさよじに目覚ましで起きて4時半に彼にモーニングコール

「おはよう」の一言

交わす言葉が嬉しくて、でも今は既読スルー。

わかっているのよ終わりだって。

でも、まだ新しい男のところへは行けない。行った方が幸せになるってわかっているのに。

まだ、ここがかのことを思うとここがキュンとするの。

ふっ。

小娘じゃあるまいしね。

もう少しあがらわせてよ。

幸せだったんだから。

暗い夜道を、ボソボソと言いながら女性は消えていく。


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