王都にて
「いやー、それにしてもクヴァシルは意外と丈夫なんだね。てっきり入院とかまで行くかと思ってたんだけど」
「うーん、でも特に丈夫なんて僕がそんなわけないし……お姉さんの処置がすごかったんじゃない?」
「いや、私のそれは適性外だから大したものじゃないし、クヴァシルの身体の方の力だと思うよ」
「適…性?学校で学べばできるようになるんじゃ?」
「ああ、まあ、そうだね。でも適性外のセイズはあんまり上達できないの。大まかには火・水・木・金・土の5つの適性があってね。私も前は火のセイズに憧れてたんだけど、私の適性は土だから。がんばったけど、ほとんど使えない」
「火のセイズに憧れる……?どうして?土のセイズも強そうに見えたけど」
「だって……グルヴェイグ様は火のセイズをよく使ってたそうから!」
「本当にお姉さんはグルヴェイグが好きなんだね」
「うん、本当に大好きなの。すっごい美人で、強くて、人格も素晴らしくて……まあ全部遺された文書とかの記述だから本当かどうかはわからないけど……」
「英雄とかって大体いつの世の中でも美化されますしね。」
「まあ、私は信じてるけどね。一度会ってみたかったな……」
(いや、流石にもう死んでると思うけどな。まあ黙っておこう)
「おい、ヴァナ。替えの服買ってきてやったぞ。てかお前ら今服が破れてんだからあまりウロウロしないで欲しいんだが」
「えー、でも、もともとそういう服もあるじゃん?ダメージなんちゃらみたいな」
「いやだとしたら一箇所だけ大きく破れてるなんてことにならないだろ。ガキの方は何箇所か破れてるから言い張れるかもしれないが……いや、ないな。両方無理だろ」
「まあ、そうだね。ごめん。あとありがとう。服買ってきてくれて」
「わかったならいいんだよ。……あと、ガキの分の服も買って来たが」
「あ、ありがとうございます。お代っていくらでしたか……?」
「……お前、身寄りないんだろ? どうせ金もないだろうし言ったところでな」
「……本当に、ありがとうございます。
(だから
「……言っておくが、俺は反対だからな」
「うん、わかった。お兄ちゃんの話は頭に留めておくね。それはそれとして母さんにも聞いてはみるけど」
「はぁ……本当に……お前は……」
(まあ母さんなら流石に結婚相手は慎重に選べって言って止めてくれるはず……!)
伝説になぞらえて 降星灰夜 @jtsr-3888
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。伝説になぞらえての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます