第2話 小学一年生からスクールカーストの形成は始まる
面倒くさい入学式を終えた夜鷹は体育館の前にある階段で集合写真を撮っていた。
お調子者の生徒が「変顔しようぜ!」なんてことを言っているが、その言葉に同調するものは少ない。割と真面目な奴が多いようだ。
ふと、隣を見ると『
俺は意を決して、山部君の肩をたたいて話しかける。
「これからよろしく!俺の名前は夜鷹!写真撮り終わったら一緒に教室行こ!」
山部君は急に話しかけられたためか、最初は驚いていたが俺の言葉を聞き終えると笑顔で「うん!そうしよう!」と言ってくれた。
そうして、教室に向かう途中で山部君から軽い自己紹介と「呼び方、山部君じゃなくて翼でいいよ!」というありがたい言葉をいただけた。一週目では山部君と呼んでいたため慣れるまで時間がかかりそうだ。(一週目にあまり話したことがなかったため実際は夜鷹が思っているよりも、すんなりと名前で呼べるようになるだろう)
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教室についた、俺の席は真ん中の列の後ろから三番目だった。この位置はなんとなく居心地が悪い。だが、幸いにも翼が後ろの席だったので話し相手には困らないだろう。小学生特有の授業中の悪ふざけなどがあったら嫌だが、相手は小学生なのだ我慢するとしよう。
先生に私が戻ってくるまでのしばらくの間、自由に話してて構わないといわれたクラスメイト達は早速騒がしく話し始める。
俺が誰に話しかけるべきかと思い悩んでいる間に、翼が天性のコミュニケーション能力で俺の席の近くに座るクラスメイトに話しかけてくれた。お陰で俺の交流関係の輪は入学したての時点で一週目のときとは比べ物にならないほど広がった。
しかし、翼に甘えてばかりもいられない。俺も少し動くとしよう。
まずは、翼との関係を盤石なものにするために、帰りに遊ぶ約束を取り付けた。そして、誰と親しくなるのがいいかと、しばらく悩んだ俺は隣の席に座って読書をしている『
俺が「何読んでるの?」と話しかけると、大友さんはブックカバーを外して表紙を見せてくれた。彼女が読んでいた本が自分も好きな小説だったため、嬉しくなってしまい、つい大きな声で「それ!面白いよね!」と言ってしまった。
すると案の定、驚いた表情を見せた彼女だったが「うん、おもしろい。」と言ってくれた。
そうして、自己紹介をして。お互いの好きな本について話していると。翼が「なぁ、さっきの遊ぶ約束、この三人も一緒でいいか?」と声をかけてきた。俺が「いいよ!大友さんもいれて六人だな!」と返事をすると、大友さんがまた、驚いた顔をしていた。
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しばらく、みんなと話していると、見知った顔が目に入った。間違いない、彼女だ。そう思った時にはすでに体が動いていた。
そうして俺は、彼女と二回目の初対面を迎えるために席を立った。
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