#Ⅴ 今、この世界で…

目が覚めて外を見ると快晴な朝だった。俺がいる部屋は元の世界の俺の部屋ではなく、昨日出会った女の人・ひなさんが貸してくれた新しい俺の部屋だった。時間がわからないので時計を見る。6時過ぎ。まぁ、早起きできただろう。しばらくボーっとしているとノックする音が聞こえた。

「入りますね〜!!」

入って来たのはひなさんだった。

「あ!レンくん!!おはよ!!どう?よく眠れた??」

ひなさんの元気とスマイルは朝から眩しかった。

「はい、よく眠れましたよ。昨日は本当にありがとうございました。」

ちゃんとお礼含めて挨拶ができた…!するとひなさんは

「いいのいいの!!あ、朝ごはんできたから食堂行こ!」

そして俺らは食堂へと向かった。

ー食堂にてー

朝から栄養満点の和食だった。ほかほかご飯にお味噌汁、魚の干物におひたしなど、朝から豪華なごはんを食べるなんてどれだけ自分が幸せなのか…。

「レンくんっ!ごはんおいしい…??」

「はい!もちろん、とてもおいしいです!」

おいしい朝ごはんを終えた。今日はこの前、俺が泣き崩れてお話を聞けなかった“仕事”について説明を聞く。

「あたし達は体の中に属性プロパティが宿っているの。種類は豊富で、火やら水やらといろいろある。人と属性がかぶることもあるけど、火力はまったく違う。属性はいいように使えるし、悪いようにも使える。でもね、属性を扱うには技法スキルが必要なの。技法がないと属性なんて上手く使えないからね。あ、ちなみに仕事の組織の名前はeve moonlightって組織名で愛称はイヴ。敵の組織名はring airって名前。あたしたちはエアーズと呼んでいるよ。このエアーズが原因で街に悪人ゴブリンがありとあらゆるところに散ってしまっているの!だからその悪人を倒し、エアーズを倒すのがあたしたちの目的。じゃ!とゆーことで一旦待ってて!」

と言ってひなさんは自分の部屋へ行ってしまった。ぷろぱてぃ…すきる…ひなさんはイヴに所属をしてる…てきはエアーズ…悪人を倒していくのか…敵はどうして悪人を出しているのかな…?俺はそれが疑問でしかなかった。

ーひなサイドではー

「ここだっけ〜?」

レンくんの体に宿る属性を調べる用のメガネを探してる。確かにないはず。だってレンくんは他の世界から来た子。だけど…あたしはあの巻き物に書かれている人物がレンくんだと信じてる。

『とある日宙降山にて他世界に住む1人の少年が伝説を築き上げる』

レンくんはきっと伝説を築き上げる“英雄の卵”なんだよ…!!!あたしはそう信じてやっと見つかったメガネを握って、レンくんのいる方へ走った。

ー廉サイドではー

俺は改めて考えた。ひなさんは何をしに行ったか。属性がわかる何かを取りに…?仮にそうだとしたら…俺には本当に属性があるのかが不安で仕方がなかった。俺は他の世界から来た人。属性を宿してたら逆に怖い。そしたら俺をいじめてた人だって…イヤ、よくないよくない。俺は頭を左右に振る。しばらくしてひなさんが

「お待たせ〜!」

と、手を振りながら来た。

「てれ〜ん!!属性計測メガネ!!これでレンくんはなんの属性を宿してるか見るよ!!!」

俺の予想当たってたぁ!?!?

「えっ、えっ、!?」

「まぁまぁ!そんな慌てずじっとして!」

「あ、はい!」

ひなさんはメガネをつけて俺をじっとみる。見た瞬間、ひなさんの表情は一変した。

ーひなサイドではー

なにこれ…あたしはレンくんの数値にびっくりしながらも興味も持っていた。レンくんの宿している技は【葉ノ舞】。その宿っている力の数値は…76リキ/100リキ。他世界から来たのにプロ間近な数値を持っているレンくん。私は680リキあるけれど、もしかしたらレンくんは私・1トップファイターを超えるような人になるだろう。私はレンくんが“英雄の卵”と確信した。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る