#Ⅲ 食べ物狩りにて…
「さぁ!知恵を絞り出して食べ物狩りへ〜…?」
「しゅっぱ〜つ??」
ひなさんってどこまでも明るいなぁ…… そう考えながら藁で作られたカゴを背負ってひなさんと共に森の中に入った。
「あたり一面木しかないですけど…食べ物とか取れるんですか…??」
あまりにも何もない気配がするから聞いてみる。ひなさんは
「フッ…レンくんは“木が産むキセキ”を知らないのかなぁ〜??」
「なんやそれ」ってツッコミたいが、ツッコめない。その代わり「は?」って顔をしながらひなさんを見る。ひなさんは「なんの顔よ〜笑」と、くすくす笑いながら説明をした。
「ここにはきのこや果物がなっているのよ!それ以外のものは街におりて買い物するけど☆」
じゃあ街に降りて買い物したらいいじゃん…ほんとツッコミどころ多い人だなぁ…でもおもしろいし元気をもらえる。俺にとってひなさんは……あれ…?答えが出てこない。ひなさんは…俺にとって…?何なんだ…?ひなさんは…
「レンくん!!!」
「えっ!?あっ!?」
気づかなかった、俺はひなさんに向かって謝る。ひなさんは安心した顔で「早く収穫しちゃお!」と、明るく言った。周りにはキノコがたくさん生えている。正直毒選んでお腹を壊さないかが心配。
「ひなさん…これ…お腹壊れないんですか…??」
俺がおそるおそる聞く。ひなさんは収穫しながら
「じゃななんで今、あたしがお腹壊してないと思うっ?」
と、弾んだ声で言う。確かにそうだな…まぁ、安全だろう。
「そうですね、安全ってことですか」
「うんっ!そゆこと!」
俺らはキノコを収穫した後、果物を取りに行った。しばらくするとみたこともない木の実がたくさんなっていた。
「はい!着きましたぁ!!」
俺が見たのは普通に怪しい少し大きめの木の実だった。
「えーっとぉ…なんですか、この怪しすぎる木の実は…」
食欲が失せるような青色の木の実。見た目からして毒々しくて仕方なかった。するとひなさんは
「あれ、レンくんってあたしの家の近くに住んでる人だっけ?マンションから落ちていたらここにいたって聞いたからさ」
へ?急な…個人情報聴取!?ってかこの辺りにマンションなんてあったっけ?俺はひなさんに詳しく説明する。
「イヤ、“違う世界”から来ました。俺から見たらここは“異世界”ですもの。」
するとひなさんは目をまんまるにし、ぽかーんとしてしまった。イヤ、確かにぽかーんってするよな…急に「俺からみたらここは“異世界”」って言われたらさ…するとまんまるにしていたひなさんの目がキラキラして俺に近づいてきた。
「ふええ〜!?かっ、かっこいい〜!!♡」
「あ、ありがとうございます??」
反応に戸惑ったため、「ありがとう」で済ました。
「ってなると、この果物知らないネ☆」
「そうですね〜」
「この果物はアオミアマミって果物で、すんごく甘くて美味しいんだっ♪」
ひなさんは得意気に説明をする。アオミアマミ…青実甘味…??
「さ!採っていこ〜!!」
俺らはアオミアマミを木からたくさん収穫した。他にも食べれる葉っぱを収穫して森を出た。
「ひなさん、いろいろとありがとうございます」
地面に横渡っていた俺を気にかけ、居場所をくれたひなさん。感謝の気持ちでいっぱいだった。
「いいのいいの!!ってかこれからもよろしくね!!」
「はい!!」
俺はにっこりと明るい笑顔で返事をした。
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