第2話
男はまず旅行のルールを決めた。
①北海道全体ではなく新幹線で行ける函館のみ。
②気になるものを金銭的理由で諦めない。
③スマホをカメラ目的、マップ目的以外で利用しない。
④怪我、病気をしたときのために病院を調べておく。
⑤母さんのためにウニを購入して帰る。
成人しても尚心配や迷惑をかけ続けたお詫びの気持ちがあるからだ。
男は母への僅かな罪悪感と数日分の着替え、東南対策で小分けにした現金と携帯電話を持って家を出た。
夏休みの東京駅は平日にも拘わらず混雑していた。
東京駅地下街、土産屋店員の明るい声が響きわたっている。
男は「人気ナンバーワン賞品!本日最終日です!」という声に後ろ髪を引かれつつも指定席のために小走りをした。
少し走ったおかげか新幹線には無事に間に合った。
3列席の窓側を取った。
長閑な景色を眺めたかったからだ。
小走りをしたおかげで駅弁とお茶を購入する余裕があった。
いつもなら高くて購入できない「紐を引いたら湯気が出る牛たん弁当」を購入するぜいたくをした。
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