第3話 幼馴染と友達
ピピッピピッ
「うーん、うるさいなぁ。って朝じゃん起きないと。朝ご飯が作れなくなっちゃう」
僕は急いでベットから起きようとして、立ちあがろうとしたがいつのまにかベットに戻っていた。なんで?
「このっベットめ!君が温かくて戻って来ちゃったじゃん。どうしてくれるんだぁ……」
なんと、僕はそのまま二度寝をしてしまったのである!
しばらくして「起きて、朝よ」と、いつもの優ちゃんの声で僕は目を覚ました
「何で優ちゃんが僕より早く起きてるの?」と僕はあくびを噛み殺しつつ優ちゃんに聞くと
「いつもの時間に目覚ましセットしちゃったから起きてるだけよ。で、誠が全然起きてこないから朝ご飯作り終わって起こしに来たの。わかった?(よかったーいつも通り目覚ましかけといて、危うく2人揃って朝ご飯食べれずに遅刻するかもしれなかったわ)」
そこで僕は全てを思い出して、全力で謝った
「本当にごめんなさい。ベットが温かくて二度寝しちゃったんです。朝ご飯は作ろうと思って昨日考えてたのに…」
「一回は自分で起きれたなら、いいじゃない。さぁ、朝ご飯食べに行くよ(フフッ、相変わらずね)」
そう言って優ちゃんは優しく微笑みながら、リビングに降りて行った
相変わらず優ちゃんは優しいなぁなんて思いながら僕もリビングに降りて行った
「「いただきます」」
うん、今日もご飯が美味しい。でも、本来だったら僕が作るはずだったんだよなぁと思いつつご飯を食べていると、優ちゃんから
「誠は今日の朝ご飯は何にするつもりだったの?」と聞かれた
「うーん、ご飯とインスタントの味噌汁と何かウインナーでも焼こうかなって思ってたけど。何で?」
「いや、何作ろうとしてたのか気になって」
「ふーん」
そして、僕達は朝ご飯を食べ終え学校へ向かった
学校について、椅子に座ってのんびりスマホを見るか、優ちゃんと話すか悩んでいると、後ろに座ってた女の子が話しかけてきた「天城君であってる?」
「天城だよ。君は?」
「私は
「楓さんどうしたの?」
「君達って本当にただの幼馴染?普通人と話してる時にノールックで幼馴染の様子なんてわかんないよ。」と不思議そうに尋ねてくる
「優ちゃんは優しいからわかるんだよ。こうなんか、僕から出てくるエネルギーみたいなのを感じとって」
「エネルギーってそんなわかるものなの?っていうか、東雲さんのこと優ちゃんって呼んでるの?いいなぁー」羨ましそうに楓は言った
「わかると思うよ、多分。だって、昔から僕が何か困ってたら、僕が何も言わなくてもすぐ来てくれたもん。」
「そうなんだ。可愛くて、優しいなんて最強じゃん」
「あとね、料理も上手なんだ。本当に美味しいんだよね」自慢気に僕は言う
「羨ましいー、私もそんな幼馴染欲しかったなぁー」
そんなことを話していると朝礼が始まった
担任の先生が今日のHRにクラス役員を決めることと、来週の月曜日から部活を見に行ける事を教えてくれて朝礼は終わった
授業の準備をして、授業を受けていて思ったことがある
授業のスピード早すぎない?まるで、みんな塾に行ってる前提かのスピードと説明の仕方だよ!?進学校なのは知ってたけど、こんなに授業のスピード早いものなの!?授業聞いても大半が右から左に流れちゃうよ。大体、初回の授業って先生の自己紹介と雑談で終わる物じゃないの?あぁやばいやばい頭がショートする…
こうして、僕の頭は真っ白になって何も理解出来ずに授業が終わったのであった
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誠大丈夫かな?結構授業のスピード早い気がするけど、と思いつつ誠の方に目を向けると今にもプスンプスンと音を出しそうな誠の姿があった。これは、家に帰ってから色々教えないといけないかもしれないなぁ、それともお昼ご飯の時に泣きついてくるかな、なんて思いながら私は授業を受けた。
====================================そして、僕は授業の内容がほとんど何も理解できないままHRに入ることになった
担任の先生がクラス委員長やりたいやついるかー?と聞いたが誰も手を上げなかったので、僕がやろうと手をあげようとしたら、「私がやります」と優ちゃんが手を上げた
「お、東雲がクラス委員長やってくれるのか。よし、これでクラス委員長は決まったから次はクラス副委員長だな。誰かやりたい奴いるかー?」と担任の先生が聞くと、さっきまでは我関せずとしていた男の子達が一斉に手を上げて
「「「「「やります!いや、ぜひやらせてください!!」」」」」と言ったので、僕も慌てて手を上げた。
先生はその気迫に気圧されたのか
「おっおお、こんなに沢山の奴が副委員長をやりたがるなんてどういうことなんだ?まぁいい。うーん、東雲お前は誰が副委員長だとやりやすい?」
そう言って、先生が優ちゃんに振ると男の子の達の『ぜひとも俺、僕と一緒にやりましょう』という目が一瞬で優ちゃんの方に移った。
「うーん、天城君ですかね」と、さも当然そうに言った
すると、その直後男の子達から、若干殺意を持った目で見られたけど、気にしないでおこう
「天城、副委員長やってくれるか?」
「はい、もちろん」と僕は答えた
それから、色々他のクラス役員を決めてHRは終わった
それから、昼放課になり優ちゃんと一緒に学食に行こうとしたら、優ちゃんがクラスの男の子に何で僕を選んだか聞かれていた。すると、優ちゃんは
「昨日も言ったでしょ、幼馴染だからよ」
「いやでも、普通天城以外の俺か他の男の子選ばない?」
「あなたの普通はわからないけど、私は天城君がよかった。ただそれだけよ。お昼ご飯食べたいからじゃあね」
と優ちゃんが軽く言い放つと
「あっ、あぁ」と男の子は少し呆然とした顔をしていた
「誠待たせたね。行くよ。」そう言って僕と優ちゃんは学食に向かった
学食でご飯を食べていると優ちゃんから
「いくつか聞きたいことあるんだけど」
「何?」
「誠、今日の授業全然理解してなかったでしょ」
「……」流石僕のことがよくわかってるなぁと思いつつ黙っていると
「その顔は図星ね。家帰ったら教えてあげるから」
「本当!よかったー初日から授業ついていけなくてどうしようって思っちゃって焦ってたんだよね」
「そうね、進むスピード早かったからね」
「だよね!僕にはもう厳しいなって思ちゃったよ」
「大丈夫よ。ちゃんと理解できたらすぐついて行けるようになるから」
「そうかなぁ?中学の時ですら理解するのに時間かかったのに」
「自信持ちなさいよ。誠は理解するのに時間はかかるかも知れないけど、理解してからは早いんだから」ちょっと怒った感じで言われた
「うん、わかった」
「あともう1つ、誠クラス委員長やろうとしてたでしょ」
「あ、ばれた?」
「バレバレよ。皆手上げないからって手上げてもしクラス委員長になったら、誠何でもやろうとするから、面倒事押し付けられちゃうわよ」
「そうだね。それは嫌だな。でも、優ちゃんはいいの?クラス委員長で?」
「私はいいの、面倒事が来たらのらりくらりとかわすから」
「そっか」
やっぱり僕の幼馴染は楓さんの言うように最強なのかも知れない
こうして、お昼ご飯を食べ終え、午後の授業を受けに教室に向かった
相変わらずわからない授業を聞きつつ、眠気と戦いながら授業を終え、帰る時になると
楓さんから一緒に帰らない?と誘われたが、優ちゃんと帰りたいからと言って断ったが、何故か一緒について来た
「この子誰?」
「この子は楓さん。今日の朝話かけてきてくれたんだ」
「はじめてまして、東雲さん。伊波楓です」
「はじめまして。楓さん」
「今日天城君から聞いたんだけど、やっぱり幼馴染だと天城君からでるエネルギーで感情がわかったりするものなの?」楓さんが早速聞いてきた
「エネルギーが出てるかはわからないけど、少なくとも誠を見なくても近くにいれば感情は何となくわかるわよ。」
「へー、そうなんだ。やっぱり幼馴染ってすごいなぁ」やっぱり羨ましそうに楓さんは言う
「でしょー!」
「ところで、天城君は東雲さんの感情はわかるの?」
「......」
「その感じだとわからなさそうだね」
「そんなこと無いしっ!わかるときはわかるもん!」
「本当~~?」ニヤニヤ笑いながら楓さんがこっちを見てくる。
「本当だよっ!ね、優ちゃん!」僕も負けじと言い返す
「フフッ、そうね(うーん、本当かな?)」少し笑いながら優ちゃんは言う
「そっか~わかる時もあるのか~」
「どうかした?」
「いや、幼馴染っていいなぁって思っただけ。そうだ!連絡先交換しない?」
「「いいよ」」
そうして、連絡先を交換して僕達は楓さんと別れて家に帰った。
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こんにちは、作者の赤枝楓です
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