No.1ホスト、転生先のシナリオを知る②

このクソエンドあと三人分も‥気が遠くなる、けどとりあえず自分の状況を知らなきゃ何にも始まらない。という事で引き続き俺は、スカーレットの末路を聞いていた。


3人目はヴィリディアン・ラシュワンツ。二大公爵家のうちの一つのラシュワンツ家の次男だ。ラシュワンツ家とは、なんでも一代前の当主の時に公爵家に格上げされたが財力は貴族一らしい。もう1人攻略キャラとして出てくるマシコット・エレナールの実家、エレナール家とは犬猿の仲らしい。ヴィリディアン自身は、兄がかなり優秀で帝国の頭脳と呼ばれる人だがそんな兄とは打って変わって、あんまり学業に興味はなく魔法の研究に明け暮れるタイプの研究者気質で、若草色の髪に美しい夜空のような紫色の瞳の儚げ美人らしい。多分癒し系男子ってやつだ。俺は前世でこういう男が心底嫌いだった‥ってそれ関係ないか。まぁ、とにかくヴィリディアンルートのハピエンでは、主人公とヴィリディアンは拠点を田舎に移して2人仲良くのんびり暮らし、スカーレットは自身の幼馴染で唯一の拠り所だったヴィリディアンを主人公に奪われたという恨みから、主人公を殺そうとしてヴィリディアンに魔法で生き埋めにされてしまう。これが癒し系男子のする事か?という疑問は置いといて、バドエンではヴィリディアンは研究にのめり込みすぎてついには、死者を大量に出す危険性のある実験をしようとしたとして公爵家から除名アンド島流し。そして、スカーレットはその危険性の高い実験に加担したとして晒し首。え???なんでやってる事おんなじなのに、スカーレットとヴィリディアンで差があるの?って疑問は御法度だ。


次に4人目は先も少し紹介した、マシコット・エレナールだ。彼も、二大公爵家のうちの一つエレナール家の長男。エレナール家は若干金欠気味で色々と傾きかけてはいるものの、帝国一歴史のある公爵家としてその格は他とは違うらしい。そんな歴史のある、血筋と伝統を重んじるエレナール家の長男のマシコットだが、本人自体は全くの正反対の自由人。エレナールの放蕩息子と噂されており、常に女子を侍らせてるとか‥。まっ、前世の俺には到底敵わないだろうけどね?まぁでも、女子を侍らせるようなキャラだけあって、見た目はかなり良く太陽の光のような少し長めの金髪に、深青の目のゲーム中でもトップを争うほどのイケメンらしい。本人は自分の顔がいい事を自覚しているタイプで、チャラッチャラ。だけど本当は、重い病で寝たきりの母親を大事にする孝行息子。本来なら厳格な家を飛び出したいところを、母親のために我慢している。何をやっても人よりも格段に出来てしまうため退屈で仕方がない‥と言った感じだとか。マシコットのハピエンでは、マシコットの母親は主人公の持つ聖なる魔力により元気に回復し、エレナール家自体をマシコットと主人公の2人で立て直していくというもの。スカーレットは、エレナール家の当主、つまりマシコットの父と共謀して主人公を暗殺しようと企てたとして毒で処刑。なんでマシコットの父と共謀してそんな事したかっていうと、スカーレットはマシコット父に賄賂を渡してシアンが王位継承権を継げるように色々画策をしてた。それに、主人公が気づいたので殺そっ!ってなったらしい。‥無理あるやろ。バドエンでは、マシコットは母親を亡くし、意気消沈したままスカーレットに嵌められ無実の罪で晒し首で処刑。スカーレットは、マシコット父に裏切られて火炙りの刑。


やっとこれで最後、5人目はなんと俺の兄であるカーマイン・ルイスだった。まさか兄貴まで攻略キャラだとは‥確かに逞しい肉体に薔薇のように鮮やかな赤髪、オレンジ色の無邪気な瞳を持ち攻略キャラとしては十分に素質のある見た目ではあるが‥まぁ、安定に前世の俺の方がイケメンだと思う。ルイス家は、侯爵家らしいがほぼほぼ公爵家と同じぐらいの権力を持ちつつあるらしい。それも全部、帝国の英雄カーディナル・ルイスこと父のおかげらしい。父は想像以上にとんでもない人物で、ここ30年間続いていた戦争を終わらせて帝国に平和をもたらした大英雄。その功績もあり、公爵家への格上げも打診されたがそれを固辞。出世の為に戦争を終わらせたわけではないと言って断ったとか。イケメンにも程があるだろ。こんなん、前世の俺でも勝てるわけないじゃん。話が逸れたが、カーマインも父と同様騎士としての才覚があり魔力もかなり有している。少し喧嘩っ早いのが玉に瑕だが、素直で爽やかなイケメンなんだと。俺にはあんまりそうは見えんけど。カーマインルートのハピエンは、カーマインは見事父の跡を継ぎ帝国軍の大将として平和を守りながら主人公と幸せに暮らす。スカーレットは、兄ばかり家でも周りでも優遇されるのが嫌すぎて兄の直属の部下を殺し、更には兄と主人公諸共殺そうとしたとして兄に剣で串刺し‥。俺、実の妹よ?流石に酷くね?ま、まぁこっちが先に殺そうとはしたんだけども。でもって、バドエンではカーマインは戦死してスカーレットは帝国軍に敵国の間者を引き入れ兄を殺すよう命令したとして四肢断絶の刑。


もうね、5人目までいくとなるほどねぇ〜ぐらいにしか思わない。結局どのルートでも死ぬのは確定してるしね。感覚が麻痺するのも無理はない。


でも時間はまだ俺の味方だし?愛されるのが職業の前世、嫌われるのが職業の今世を変える可能性だってワンチャンあるんじゃね?

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