第10話
もっとも、私たちの身の回りに存在する魔力や魔法量には、宇宙を構成するあらゆる物質上の「万物の始源」が、『生物』という垣根を越えて深く関わっているらしいけど。
「まあ、話くらい聞いていったらどうだい?今回の任務は、君の知りたい“情報”にも少しだけ関わっている。僕からの情報を聞く前に、有力な手がかりを得られるかもしれないよ?」
「アイツらが関わってるんですか?」
「関わってるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。いずれにしても、“彼”が全ての鍵を握っている」
「彼って、…コイツが?」
「そゆこと」
「へ?」
話が見えない。
教官から聞いた事前の話では、私たちの「修行」を兼ねて、特別な講習を開くというような感じだった。
もちろん「修行」とやらに興味はないし、教官から何かを教わるつもりもない。
条件が条件だっただけに、話を聞きにきただけだ。
それなのに、…この男が?
わけがわからなかった。
教官があの組織と何らかの関係性があることは、容易に想像できた。
だけどこの男がアイツらと関係しているとは、とてももじゃないけど想像できなかった。
ただの“特殊能力持ち”ってだけで、そこらへんのやつと何も変わらない。
…と、私は思ってるんだけど、違う?
教官のように、変な噂だって聞かない。
最近聞いた話じゃ、女子更衣室にいた魔法技能学科の生徒に、強烈なビンタを喰らわされたとかなんとか。
そういう路線の変態である可能性はあっても、まさか…ね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます