てなことがありまして。私が小説を書いているという事は、お母さんしか知らない。最初はびっくりされて唖然とされたけど、今は喜んでくれて応援してくれている。東京へ行くときは着いて来てもらったり、日帰りの時は1人で行ったり。今回は泊りがけだが、しょー君の家に泊まると言ったら何とかOKして貰えた。
「はい、これが完成したやつね」
田中さんから渡されたものの包装を解くと、豪華な表紙に包まれた私の小説が現れた。本の帯には、
”ネットで大注目!桜楓の自信作ついに書籍化!”
とデカデカ書かれている。
「本間に本になるんですね…」
「そりゃそうじゃん!もう半年近くたってるんだから、そろそろ現実受け止めてあげて?2週間後には店頭に並ぶ予定だからね。これはかえちゃん分だから、持って帰って、お母さまに見せてあげて?」
「はい、ありがとうございますっ」
自分の名前が入った本が本屋さんに並ぶなんて、夢にも思わなかったなぁ…。実は次回作の話もどんどん進んでいて、来年には2作目も出版していただけることになっている。
「おっともうこんな時間か…」
「えっもう19時ですか⁉」
「かえちゃん時間大丈夫だった?親戚の人の家に泊まってるんだよね?」
「一応21時までには帰ると伝えているんですけど…母親と同じくらい過保護な人の家に泊めてもらってるもので」
「あー…なるほど。じゃあ早く帰らないとだね。俺も今日はこれで終わりだから近くまで送っていくよ」
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