「失礼しま〜す。よっ、かえちゃん久しぶり!元気だった〜?」

「お久しぶりです、元気ですよ!田中さんも元気そうで良かったです」

 まぁまぁ座ってとソファへ促される。

「今日は来てもらっちゃってありがとうね?うちの者迎えに行かせたのに」

「いやいやそんなっ、他の用事もあったので」

「あれか、就活ってやつ?」

「就活ってやつですね」

 内定もらましたなんて言ったら、田中さんからのおめでとうコールが止まらなくなりそうだったので、今回は止めておいた。

「どう、お母さんの反応は?」

「なぁんとか現実を受け止めてくれるようになりましたね。喜んでくれてますし。もう好きにしな?って」

「そっかそっか、それは安心だね。かえちゃんのお母さま心配性みたいだから、世の中に娘を出すなんて!って言われるんじゃないかとこっちが心配してたんだよ」

「なんか、すみません」

「ふはっ、全然。お許しをもらえたならありがたいよ!じゃあ、どんどん話進められるね」

「はいっ。改めて、よろしくお願いします」


 今私がいるのは、想像出版社。そこそこ有名な出版社なのだが、なぜそんなところに私がいるのかというと、さかのぼる事半年以上前…


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