「…んー」


「ん〜…」


「うん…」


 なんというか、うん…。面接をしている間に受かってしまいまして。世間話をしている間に契約が決まってしまっていた。面接官のひとがフランクすぎて、お決まりの質問が終わった後、普通に話してたらその流れで…


「すごく気に入ったから、是非ともうちで働いて欲しい」

 と凄い笑顔で送り出されて、取り敢えず体やら頭やらを冷やしたくて近くのカフェに入った。改めて渡された書類に目を通すと、本当に決まったんだと実感させれらた。

「…良かったぁ、」

 冷たいカフェオレを飲んでいると、心も体も冷やされて一心地着いた。注文したケーキが来たところで、持参したパソコンを開く。ビル街にあるカフェは1席1席が区切られていて、作業がはかどるから良い。


「…あ、やばっ」

 カフェオレを飲み干したころに時計を見ると、もうそろそろここを出ないといけない時間になっていた。灼熱の中小走りで目的地へ向かったため、自分でも分かるくらい可愛げのない声が出てしまう。

 久しぶりに訪れた大きなビルは、ギラギラと熱を反射させているけど、中に入ってしまえばキンキンに冷えた天国になる。エレベーターに乗り込み、22階を目指す。この大きなエレベーター、何回乗ってもドキドキワクワクする。

「…おはようございます」

「おはようございます…あらっ楓さんじゃないですか!」

「お久しぶりです!」

「ふふっ、お待ちしてました。ご案内しますねっ」

 受付の可愛いお姉さんにいつもの部屋へ案内してもらう。

「外暑かったでしょう?これ置いておくんで、好きなだけ飲んでくださいね」

「すみません気を遣わせてしまって…ありがとうございます」

「いえいえ。田中、呼んできますね」

 いつまでもこのお客様感、むず痒い…



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