あとがきにかえて

 本作を書き始める直前、中国の2000年前の遺跡の土中から朱漆で塗られたお弁当箱が発掘されたというニュースが報じられました。


 成る程、土中が酸性でもアルカリ性でも完全硬化した漆は2000年耐えられる。また抗菌作用があるとも言われ土中の腐朽菌などにも耐えうるのかも知れません。

 または、2000年前の中国は秦漢時代。場所や保存状態から王族か貴族が使用したものなのか。朱色は古来より魔除け色とされて······などなど。


 これは現代の工芸品を説明する時にも同じ事が言われます。こんな効果、効用があって。こんな歴史があって。これらの説明はとても客観的事実でしょうし正確でしょう。まあ諸説もありますが。


 さて、ここで今度は極めて主観的にこの2000年前のお弁当箱について違う文脈で見てみます。


「大好きな先輩にお弁当作るみたいに、2000年前の人も好きな人にお弁当作ったのかなぁ? あ~ん、とかしたのかなぁ? 今、わたし達が使ってるお弁当箱が2000年後まで残って発掘されたら、誰かがやっぱり同じコト思うのかなぁ? ······わたしの『好き』が2000年後にも残るのかなぁ?」


 ······なかなか熱くないですか(笑)

 

 職人は2000年とは言いませんが100年残るモノを作ります。作りたいと思っています。

 100年新品という訳ではありませんがお持ち頂ければ手が動く内は必ず直します。そして伝統が残る内は未来の後輩達が必ず直します。


 あなたの想い、工芸に託してみませんか?


 ······という気持ちを込めて現役職人が書きました本作はいかがだったでしょうか♪

 完結までお付き合い頂きました皆様、拙い文章にたくさんのご支援、応援を頂き本当にありがとうございました。

 また別の作品(小説に限らず)でお会いできましたら幸いです。


 尚、本作の本編は完結致しましたが番外編など更新予定ですので、ご機会ありましたら是非ともよろしくお願いいたします。


 以下ご案内になります。


●「遂に完結♪」近況ノート

完結のご挨拶と今後の展開をご案内しています。

https://kakuyomu.jp/users/nuriyazeze/news/16818093080970285352


●「異世界でおじいさんの古箪笥だったわたしは、空き巣勇者が盗んだ物を探してる。」

異世界ファンタジー(?)3話完結済み。箪笥から転生したある女性の物語です。

https://kakuyomu.jp/works/16818093078280459344


 それでは改めまして、本当にありがとうございました✨


 ぬりや是々

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