第2話 キミという人

私は莉奈。お兄ちゃんの影響で小学1年生から高校を卒業するまで剣道をやっていて中高では部長を勤めていた。今は上場会社で副部長をやっている。


わたしはついこないだまで会社をあげた大きなプロジェクトを推進していたこともあり、チーム全体で2週間の公休をもらって実家に帰省していた。


お母さんは久々に衛星放送で白虎隊のドラマがやってる!と、真剣に観ていた。


私のお母さんとその妹の叔母が昔から白虎隊が好きだった。その影響からか白虎隊とは何か。どんなストーリーでどんな結末を迎えたのかはなんとなく知っていた。


16~17歳の少年達が会津を守るため、戊辰戦争に参戦した。その白虎隊の中でもいくつか部隊があるなかで一番有名なのが士中二番隊であり、会津若松にある城、鶴ケ城が燃えてる。会津は負けたんだと思い込み、同じく会津若松にある飯盛山で集団自決した。


その白虎士中二番隊のリーダーを勤めていた篠田儀三郎。


わたしは昔からなぜか儀三郎だけは頭に残っていた。


そしてこれまでドラマ化は何度かしてきたが、所々違和感があった。その人はそんな人じゃない。そんなことできない、と。。。


「今度の休み、久々に会津に行こっか」

突然お母さんから誘われた。

きっと、衛星放送でたまたまやっていた昔の白虎隊のドラマを観たからだろう。


しかし私はなぜか胸騒ぎがしていた。

そして同時に、行かなきゃ。という気持ちになっていた。


「うん、行きたい」

私は即答だった。

これまで感じてきたモヤモヤは何なのか、なぜこんなに白虎隊が気になり、なぜこんなに篠田儀三郎だけ頭から離れないのか。

そんなことばかり考えていて、

これから起こることなど想像すらしていなかった。

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