第4話 初めての街
圭人:「あ、あれ?」
『自動防御魔法』
ゴブリンの鋭い爪が振り下ろされた時は正直死んだかと思った。
しかし自動防御魔法が発動し、ゴブリンの攻撃を防ぐ。
ミア:「な、なんだ。何が起こった!」
ミアも困惑している。
圭人:「わ、分からない!俺も急に魔法が発動して…」
ミア:「魔法が使えるのか!よし!なんでもいいから使える魔法をゴブリンにぶつけろ!」
圭人:「わ、わかった!」
…とは言ったものの異世界に来たばかりの俺の魔法がゴブリンに通用するのかは分からない。
俺が使える魔法の中で強そうな魔法を唱えてみよう。
圭人:「最上位火属性魔法 エルファイアストーム。」
そう唱えた圭人の上空に気球程の大きさはありそうな無数の巨大な火の玉が作られる。
ミア:「な…なんだこれは…」
ミアも驚きが隠せない。
圭人:「なっ…待って!やっぱ無し!止まって!」
時すでに遅し。巨大な無数の火の玉はゴブリンに向かって飛んでいく。
物凄い爆音が周囲に広がる。
俺はやばいと思った。なぜならこのままでは俺の後ろにいるミアにまで被害が及ぶ。
何か防御魔法は無いかと探す。
先程歩きながら気付いたが、ウィンドウはわざわざ目の前に表示させなくても頭の中で開ける。
圭人:「あった!シンプルな名前だが大丈夫か。防御魔法 シールド!」
ミアに向けてシールドを付与するイメージでミアに魔法を唱える。
ミアの目の前に大きな透明な壁のようなものが現れた。
圭人:「よし!上手くいった!」
その後火の玉の雨は5分ほど病むことは無かった。
火の玉の雨が病んだ。ゴブリンの痕跡は跡形もなく消え、焼けた大きなクレーターが辺り一面に広がっていた。
圭人ミア:「…………………………………」
気まずい。2人とも目を合わせたまま沈黙が続く。
圭人:「こ、こんな魔法だと思わなくて…つい…」
ミア:「す…すごい…ケイト…お前記憶を失う前はすごい魔法使いだったんじゃないか。その年齢でこれだけの魔法を使えて、尚且つケイト自身はピンピンしてる。相当な魔力量を持ってるんだろう。」
圭人:「魔力量…?」
ミア:「そうだ。ウィンドウを開いて見てくれ。」
圭人:「開いたぞ。」
俺が開いたウィンドウはミアには見えていない。
自身がウィンドウを他者に見せる時以外、ウィンドウは自身にしか見えない。
ミア:「ステータスの1番下。ここは魔法系のステータスの中で1番高いものが表示される。私の予想だとここは魔力量になってるんじゃないか?」
圭人:「いや、攻撃魔力だ。」
ミア:「……っ!?魔力量よりも攻撃魔力の方が高いのか!?…いや、それは一旦置いておこう。
では、攻撃魔力に意識を集中させてみてくれ、すると魔法系のステータスが現れる。」
本当だ。全然分からなかった。
魔力量…9960万7999/9999万9999
魔力回復力…100万/s
攻撃魔力…999999999999……
回復魔力…999999
圭人:「確かに、魔力量がかなり多いな。今の魔法は魔力量を30万程使ったようだ。」
ミア:「いや、待て待て。人種族の魔力量は私が見てきた中で1番多かった人間でも20万だったんだぞ。ヤツの最大魔力よりも多い魔力を使ってピンピンしてるって。何者だよ…」
圭人:「そう言われてもな…俺にもよく分からないんだよ。」
ミア:「土属性魔法 ゴーレム精製」
焼け野原の地面からゴーレムが精製される。
ミア:「こいつは魔法を撃ち込み魔法の訓練をするために使用されるゴーレムだ。
攻撃魔力が1番多いと言ったな…こいつにファイアボールを撃ち込んで見てくれないか?」
圭人:「ファイアボールを…?分かった。」
「ファイアボール」
目の前に野球ボール程の大きさの火の玉が現れ、ゴーレムに向かって飛んでいく。
ミア:「やはり所詮はファイアボール。攻撃魔力が多くても普通のファイアボールと変わら…」
ゴーレムにファイアボールが当たり、ドーーンと大きな音とともに大爆発が起こる。
ミア:「なっ………」
ミア:「初級魔法でこの威力…!?なんなんだお前は。1つ忠告する。ケイト、現状お前は人前で初級魔法のファイアボールすら撃てないぞ。なぜなら周りに人がいたら大迷惑だ。」
圭人:「おいおい、勘弁してくれよ…」
ミア:「魔力制御をやってみたらいい。簡単だ、なるべく魔力を絞るイメージだ。」
圭人:「魔力を絞るったって肝心の魔力を感じられないんだよなぁ…」
1つ思い浮かんだことがある。
過去に読んだ異世界転生系の中で魔法はイメージが大事だと読んだことがある。
なるべく小さく、威力は…当たったら燃える程度をイメージして
「ファイアボール」
小さな火の玉が作られる。
圭人:「ミア!ゴーレム頼んだ!」
ミア:「わかったよ!ゴーレム精製!」
ゴーレムが作られた。
そしてゴーレムに向けて作ったファイアボールを飛ばす。
ゴーレムに当たり、爆発せずゴーレムに火がついた。
圭人:「っし!!!上手くいった!!」
ミア:「ケイト、お前めちゃくちゃ凄いやつだな…」
魔力制御を覚えた僕達は、モンスターを倒しながら街に向かって歩いた。
半日ほど歩いただろうか。
ようやく街のようなものが見えてきた。
ミア:「あれがエンジークの街だ。」
街にようやくいける…そう安心したが入口の警備部隊を見て、自分にギルドカード等の身分を証明するものが無いのだ。
ミア:「ちょっとこいつ中入れるよ。」
警備部隊:「ミ、ミアさん!?!?ミアさんがいうなら…今回だけですよ!」
ミア:「ああ、、ありがとう」
そうして俺は難なく街に入れた。
この世界に来て初めての街。
感動していた。ようやく人のいる暮らしが出来る。
メインの通りには屋台?出店?がいっぱい並んでいる。さすがに昨日から何も食べていない。お腹がすいた。
ミア:「それじゃ、ギルドまで案内して私の仕事は終わりだな。」
ミア:「冒険者ギルドもすぐそこだ。」
そう言うとミアは歩き出した。
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