(三)-9
そう思ってマキが男からアンナに目を向けた瞬間、アンナは目の前の折りたたみタイプの細いテーブルを男の方へと押しやった。
突然の抵抗に驚いたのか、男は声を上げた。
マキたち三人はその声に驚いた。マキは既に体がこわばって動けなかった。
突然の大声に続いて、男性はテーブルを力任せに左手ですくい上げるように払いのけた。
テーブルは楽屋の端の方へ仰向けになるように音を立てて落ちた。
その行為を三度繰り返すと、一人と二人の間を邪魔する物がなくなった。
(続く)
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