第6話

「アッ、星波だぜ、見ろよ」

「康介に逃げられたらしい」

「そりゃ、そうだよな。俺だって恋人が

パンチラなんてしたら速攻おわかれだよ」

「やめて、やめて」

わたしは耳をふさいだの。

「星波」

「智栄美」

智栄美が気が付くとそばにいた。

「さみしい?康介さんかえそうか?」

「よっ、よけいなお世話よ。せいぜい康介と

イチャイチャしてるところをみせつければいい」

ピシャッ!

智栄美がわたしの頬をはった。

「なっ、なにするのよ」

「星波のバカ!こんなところで意地はって

どうすんのよ。このままじゃ、アンタ

いちばん大切なひとを一生失っちゃうかも

しれないのよ」

「智栄美」

「さあ、いきなさい、康介さんのところへ」

「うん、ありがとう」

わたしはきびすをかえして康介さんのところに

向かった。

「フ―っ、わたしいいこといったかなあ」

智栄美が腕組みしてつぶやいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る