明け方のジャズドラマー

まるいもんた

第1話 余命宣告を受けたねこ



2023年の年末、おしっこの回数が増え、水ばかり飲


んでいることが気になり、動物病院で血液検査を受けた。

2024年、年明けの初詣では、検査結果が悪くないようにと願ったが、結果は予想をはるかに超えて厳しいものだった。腎臓がほとんど機能しておらず、余命が限られていると説明を受けた。


家に帰ると、本人は未来のことなど何も気にしていない様子だった。それが切なくて、僕たちはまた涙を流した。彼は喉をグルグル鳴らしながら、気持ちよさそうに寄り添っていた。


それからの日々は、いつ急変して



もおかしくない状態だと分かっていたから、1日1日を大事にした。

食事量やトイレの回数、わずかな様子の変化を日記に記録し、毎日写真を撮った。自分の写真はあまり撮らないけれど、一緒に写るツーショットも増やした。


「兄猫の誕生日までは頑張ろう」「3月まで一緒に生きよう」と彼に話しかけた。

2日に1回の輸液のために動物病院へ通った。診察台に乗せて体重を測り、200ミリの輸液を受けた。脱水が何より危険だと説明され、治療に全力を注いだ。


3月を無事に迎え、みんなでその日を過ごせたとき、幸せを感じた。次の目標は彼の誕生日、5月末まで生きることだった。そんな中、ペット保険の更新はがきが届いた。迷わず更新し、「まだまだ一緒にいたい」と願いを込めた。


しかし、次第に食事が取れなくなり、体重は落ち続けた。固形物を口にしなくなった彼には、スープをスプーンで食べさせた。それでも十分ではなく、シリンジで強制給餌を始めた。

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