第3話

死神ローサが自分の作った

記憶削除サイトに加治木正旭の名前を

打ち込んだ。

「これで正旭は事件のことをすべて

忘れるはずだ」

ローサがほくそ笑んだ。

ローサがワイングラスに上質の

ワインを注ぎ込んで一気に飲み干した。

「正旭にいろいろ覚えていられては

面倒だからな」

「アナタ」

ローサの妻、ビーナスがローサの肩に手を

回してキスをした。

「アイツは無意識のうちに事件の惨劇を

すべて記憶していたはずだ。

ただそのことをハッキリとは

覚えていないだけなんだ」

「アナタの名前を想い出されて死亡検索サイト

に打ち込まれてはこまるから、でしょう?」

「そうだ、そうなれば、おれは死ぬ。だが

アイツはオレの名前を永遠に想い出せないはずだ。

クックックッ」

ローサが高笑いした。

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