第2話、少女の願い
「そういえばなんで君はこんな森の中にいたの?」
そう彼女に問いかける、それを聞いた瞬間彼女から笑顔だが消えた。
「実はね私のお母さん病気なの町の医者のところにもいったんだけど、どんな病気かも分からないって、だから家にあった本に書いてあったどんな病気も治す薬草を探してたのけど見つからなくて」
そういうことか彼女は母のために、もしかしたら魔法で何とかできるかも。
「私にその母の容体を見せてくれないかな?魔法だったら何とかできるかもしれない」
「本当?!うんお願い」
そういうと彼女はまた笑顔を取り戻し私の手を引いて自分の家に向かい始めた。
彼女の家に着いた、町の中では一番裕福そうな家という印象を受けた。
「入って、2階にお母さんの部屋があるの」
「お邪魔します」
そう言って家に入った瞬間何か違和感を覚えた、何かドス黒い憎悪の塊のような何かを、彼女の母の家に近づいて行くにつれその違和感は強くなる。
「ここだよ」
彼女はドアを開ける、開けたと同時にその違和感の正体に気づいた、彼女の母から今までに見た事のない呪いがみえた、近くにいるだけで吐きそうなほどの嫌悪感こんな呪いどうやってかけたんだ。
「ありがとう、容姿を見てみるよ」
そう言って私は彼女の母に手を近づける、その瞬間私の頭の中に何かが流れ込んでくる「お前さえ死ねば」「お前があんなことするから」「お前は死なないといけない人間なんだ」、頭が割れそうだ、まずい、呪いがもう深くに浸透してしまって治すことができない。
「どう、お兄ちゃん?治せそう?」
そう彼女が言った瞬間部屋のドアが、バン、と音を鳴らして誰かが入ってきた。
「人の家に勝手に入り込んで何してんだ!」
「待ってお父さんこの人は…」
「お前は黙ってろ!」
そう言って彼女の父親?は彼女を殴った。
私は確信したこの声頭に流れ込んできたあの声と同じ、そしてこの憎悪、こいつが彼女の母に呪いをかけた張本人。
「あんたがこの人に呪いをかけたのか?」
「なぜ俺が呪いをかけたことを?まあ良い、仕方ないお前を殺させてもらう」
マズイ、あまり人を攻撃する魔法は使いたくない、かと言って攻撃しないとこっちの身が危ない。
「待ってお父さんやめてこの人は…」
「お前は黙ってろ!またいつものように殴られたいのか!」
その言葉を聞いて私は怒りを覚えた、親のために頑張っている子供が親に虐待されていた、そんなことは決してあってはならない。
「場所を変えようか、ここじゃ騒ぎになる」
そう言って指を鳴らす、その瞬間彼女と出会った森の中に移動していた。
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